ネットでは「行きたいけど行けない」というファンの悲鳴が上がっていた。「コロナ禍が終息したら必ず行きます」と誓う人も多かった。そんなファンたちが、2年目、3年目に訪れて念願を叶えている。訪日観光客が訪れにくい時期は、ゲームのファンがこの列車を応援してくれた。いま思うと、2021年に中止していたら2年目以降はなかったかもしれない。
2024年は流氷を観たいという「本来の目的」の観光客が多い。しかしコラボも4年目に入ると、列車にあしらった荒井清和氏のキャラクターもおなじみの存在となった。もはやゲームというよりは「流氷物語号」のキャラクターといってもいい。
これがなにかと気になる人がネットで調べると、もはや入手できないゲームだった。それは寂しい。ボランティアスタッフの学生たちも生まれる前のゲームを知る由もない。物語を知ってくれたら、流氷の景色も新たな感動を与えてくれるはずなのに。
「流氷」の文字がタイトルに入った理由は…
「流氷物語号」をきっかけに、ゲームのリメイクや実写作品化ができたらいいな。石黒氏や私を始め、ゲームを知る人は願っていた。そう思っていたところに『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』が発表された。しかもサブタイトルに「流氷」の文字。これは「流氷物語号」関係者の願いに応えてくれたに違いない。
前作『オホーツクに消ゆ ~北海道連鎖殺人~』の物語は冬ではなかった。「流氷物語号」のヘッドマークに描かれたキャラクター「シュン」は上着を脱いだ姿で、季節感が一致していない。しかし次回作は「追憶の流氷」だ。真冬のオホーツクが登場するかもしれない。
リメイク版を楽しんだ人々が、北海道各地を聖地訪問してくれるだろう。『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』を遊んだ人々に、ぜひ「流氷物語号」の旅を楽しんでもらいたい。来年の流氷の季節が楽しみだ。