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コラボグッズの「二ポポ」は網走刑務所で作られている?

「ニポポ」はゲームの中で「ニポポ人形」として登場する。「北海道ファンマガジン」によると、語源は樺太アイヌの人々の言葉でニィ・ポポ。意味は「小さな木の子ども」だ。それは人形を示すから、いまも地元の人々はニポポと呼び「人形」はつけない。アイヌの人々は子どもが生まれるとお守りとしてニポポを身につけさせたという。

 ニポポは網走刑務所で作られている。受刑者の刑務作業が少なかったので、所内に自生していた槐(えんじゅ)の木を材料に民芸品作りが提案されたことがきっかけだ。ニポポは網走市観光協会を通じて土産物屋で販売している。刑務作業支援の意味もあり、網走市はニポポを商標登録して類似品を防いでいる。

 つまり「涙彫ニポポ」は網走刑務所しか作れない。こちらから「発注」してもいいものか。刑務所には「刑務作業の募集制度」があって依頼できる。しかし依頼者の都合ではなく刑務作業の納品日程だ。2021年は150本、翌年からは100本の限定品だ。刑務作業に残業や休日出勤はないから、売り切れても増産はできない。もし受刑者にゲームのファンがいたら「これ、知ってる!」と思うだろうか。などと塀の中を思いやる。

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涙彫ニポポ、裏に「網走刑務所」の烙印がある
ゲームと同じ場所に涙がある

コロナ期も走り続け、願いが叶った!

 コラボ初年の2021年はコロナ禍で、旅行自粛ムードの真っ最中だった。全国的に観光列車は取りやめになっていたけれど、北海道は感染者数が「まん延防止等重点措置」の基準を超えてはいなかった。それでJR北海道は「流氷物語号」を走らせてくれた。網走市は車内のボランティア活動を認めてくれた。その結果、乗客は例年より少なかったけれどゼロではなかった。