『世界ふしぎ発見!』が終わってしまった。毎週欠かさずに見ていたというわけでもないから、これについて何かを言う立場にはない。が、土曜の夜にはおなじみの番組がなくなるというのは、熱心な視聴者でなくともいくらかの寂しさは感じるものだ。
で、この『世界ふしぎ発見!』といえば、日立である。日立製作所、日立グループの一社提供で、CMには決まって「この木なんの木」が流れていた(ような気がする)。誰もが知っているCMソングだが、かといってそんなに頻繁に耳にするものでもないから、『世界ふしぎ発見!』はそういう意味でも意外と貴重な機会だったんじゃないかと思う。
まるで三段論法のようで恐縮だが、そうしたわけで今回やってきたのは日立製作所の名をそのまま頂く、茨城県日立市は日立駅だ。
JR常磐線“ナゾの日立製作所の駅”「日立」には何がある?
日立製作所のホームページを見ると、そのはじまりは久原鉱業所日立鉱山に付属する修理工場にあるという。だから、日立という町は日立製作所とともに生まれ育ったというわけだ。文字通りの企業城下町である。inspire the nextである。
その玄関口・日立駅は、常磐線の駅だ。東京駅から特急「ひたち」に乗れば、ざっと2時間ほどで着く。もちろん土浦や水戸なども通り過ぎた先、茨城県のやや北寄りの海沿いの駅だ。
どれほどの人が特急「ひたち」に乗っているのだろうと思ったら、これがまた意外に混んでいる。平日の昼間という、どちらかというとあまり長距離移動には適さなそうな時間帯なのに、東京駅を発車する直前には窓側の席がほとんど埋まっているくらいには混んでいた。新幹線の時代でも、在来線特急はまだまだ死んではいない。
「日立駅は、海の見える駅だ」「海が見えるターミナルとしては日本一なのではないか」
2時間ほど特急に揺られたところで、日立駅に着いた。日立駅は、海の見える駅だ。といっても、ホームからではなく、海が望めるのは橋上の駅舎から。
ガラス張りのコンコースや自由通路からは、実に美しく太平洋が見える。2011年に完成した新しい駅舎で、海側(海岸口)には眼下に太平洋を望むカフェまで設えられている。まるでこれは、太平洋を見てもらうための駅といっていい。