私の人生は、どうして狂ってしまったのか。ひたすら自分で自分を責め立てる日々――。さらに、私は家に引きこもるようになってからというもの、時折襲い来る幼少期のフラッシュバックに悩まされるようになっていた。
だからこそ、私は母に過去の過ちを認めてほしかったのだ。家庭内暴力が起きる際に、いつも母が私にした暴力を責め立てた。
「あのとき、私を虐待したでしょ! 認めろよ!」
「そんなことはした覚えがないのよ」
信じられないことに、母は私への虐待を認めなかった。徹底的にしらを切った。やった、やってない、の激しい応酬が続く。
私は、母の虐待行為を激しくなじった。虐待親の多くは、子どもにその行為を問い詰められたとき、母親のような反応をするらしい。
あのとき、母が認めてくれたら、どんなによかっただろう。「ごめんね」の一言だけでも言ってくれたら、どれほど救われただろう。私は、母のその一言を長年、待ち焦がれていたからだ。
けれども、母の口から、ついに最後までその言葉が出ることはなかった。母は弱々しく、しまいには擦り切れた声で、「久美ちゃん、本当に覚えていないのよ。そんなことがあったなんて、お母さん、全然覚えてないの」と目を潤ませた。
「うそつけ!」
それを聞いた途端、やり場のない感情が怒涛のように押し寄せた。
無力な私は、あんなに苦しかったのに。あんなに、悲しかったのに――。全部、全部、お母さんは、なかったことにするの? じゃあ、あのときの私は、どうすればいいの。私はいったい、どうすればいいのよ!
馬乗りになって絞めた母の首
私はどこかちぐはぐだった。確かに体は母よりも大きくなった。母がそんな私の威圧感におびえているのが伝わってくる。
それでも、幼い頃の私はずっと私の中で泣いている。今も苦しんでいる。
心がシャットダウンして、真っ白になる。みんなみんな消えてしまえばいい。心も体も、子どものように泣いていた。そして次の瞬間、煮えたぎるような怒りの感情に、私は全身を支配された。