実にうまい上品なそばつゆに感心していたので「つゆは鰹出汁を中心にした自家製ですか?」と聞くと、店長は「鰹節も使っているけど主体は違います」とキッパリという。鯖節、宗田鰹節、鰺節などかと聞くも違うという。それでは何を使っているか詰め寄るとまたまた少し考えて切り出した。「勝間(光和)社長とさんざん検討して、四国の軍鶏(しゃも)で出汁をとったらどうだという話になった」というのだ。
軍鶏? 立ち食いそば屋で鶏出汁を使った店「三丁目」が御徒町にあるが、軍鶏を使っている店は老舗そば屋、街そば屋などを含めてもないのではと推測する。そう言われればつゆの口当たりが上品かつコクがあり飲みやすい味であった。いやいや、これには柏原芳恵の件以上に驚いた。秋冬になれば、軍鶏を使った鍋や軍鶏の親子丼などを作って提供したいとのこと。
「米十」店長からメッセージ
最後に「米十」店長からメッセージをいただいた。
「堀切菖蒲園のこの商店街に小さな立ち食いそば屋を出しました。ここはとてもいい街で、カレーライスのご飯はとなりの越中屋さんから仕入れたり、豚肉も商店街の精肉店から仕入れたり、お世話になっています。まだ不慣れですが、おいしい出汁のつゆと天ぷらとそばうどん、カレーライスを作ってお待ちしております。是非お越しください。お酒も飲めます。しばらくはシフトの関係で営業は昼前からになりますが、落ち着けばまた朝5時からの営業を再開しますのでよろしくお願いします」。ちなみに店長はABBAの大ファンだそうだ。
堀切菖蒲園の小さな立ち食いそば屋に入ったら、そこは松本にある手打ちそば屋の系列店で、しかも柏原芳恵がいるレコード会社による経営だったり、出汁に軍鶏を使っていたりと、本当に驚きの訪問となった。プロ野球選手になりたかったという店長。これからも頑張ってください。再訪必至である。次はねぎと豚肉がたっぷりのった「肉そば」に決定である。なお、柏原芳恵はまだ来店していないそうである。
INFORMATION
「米十」
住所:東京都葛飾区堀切5-5-2
営業時間:月〜金 11:00〜23:30/土日 11:00〜17:00
(シフトが戻れば5:00~を再開しますとのこと)
定休日:今のところ不定休