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2時間も歩けば回り切れてしまう村が人口を増やし続ける「ヒント」
越中舟橋駅を中心に、村の中をうろうろと歩いてもせいぜい2時間もあれば終わってしまう。舟橋村は、それくらいに小さな村だ。
よく晴れた日にやってきたから、遠く東の向こうには立山連峰がよく見える。田園地帯が大部分を占めている風景も、昔とそれほど変わっていないのだろう。
ターミナルの越中舟橋駅は、図書館が併設されているといっても無人駅。駅前に繁華街があるわけでもない。県道沿いにはコンビニなどはあるけれど、お世辞にも賑やかな駅前とは言い難い。少なくとも、同じ時間帯を切り取れば富山駅前とは雲泥の差といっていい。
しかし、そうした村でも人口を増やし続けることができる、というわけだ。ちなみに、越中舟橋駅併設の図書館は、よく住民に利用されているのだとか。住民一人あたりの年間貸出冊数は25冊以上で、これも日本一。
村内に大きな本屋がないから、とケチをつけたくなるが、電車で15分の富山駅に行けばいくらでも本は買えるからそういう問題でもないのだろう。このあたりに、小さな村が人口増を続けてゆくヒントのようなものがあるような気がするのだが、いかがだろうか。
写真=鼠入昌史