なんと綾瀬市には鉄道の駅がない
そう思って調べてみたら、綾瀬市にはなんと鉄道の駅がないという。綾瀬市域の北には相鉄線、東には小田急江ノ島線、西には小田急小田原線やJR相模線が通っている。しかし、そのどれもが綾瀬市内に入ることなく、もちろん駅も存在しない。
北部には東名高速道路、そして南部には東海道新幹線という大動脈も通ってはいるものの、直接市内にアクセスできる玄関口たるターミナル駅を持っていないのだ。神奈川県には19の市があるけれど、駅を持たないのは綾瀬市だけである。
ならば、どうやって綾瀬の町に行けば良いのだろうか。のっけから綾瀬バス停の話をしているのだからそこから行けばいいじゃんか、と思うところ。でも、それではわざわざ高速バスなんぞに乗らねばならず、ちょっと手間がかかる。
そこで調べてみると、綾瀬市内にはそれを取り囲む鉄道の各駅からの路線バスがいくつも乗り入れているようだ。中でも、小田急線の海老名駅。ここから相鉄バスが綾瀬市内各所にむけて走っている。
鉄道がない町というのは、全国に目を向ければ珍しくもなんともない。ただ、そうした町のほとんどは徹底的なクルマ社会。鉄道どころかバスに乗るのも免許を持たない学生さんくらいに限られている。だから、路線バスの本数も少ないのが普通だ。
ところが、綾瀬市に限ってはそんなこともなさそうだ。さすが天下の神奈川県。周囲を通勤路線に囲まれているという恵まれた環境があるからなのか、いずれにしても綾瀬に入るバスの本数はなかなかに充実している。
海老名駅からバスに揺られること10分ちょっと…「いつのまにか綾瀬市に入っていた」
そんなわけで、海老名駅からバスに乗った。バスの行き先は、綾瀬市役所だ。座席が8割方埋まるくらいのお客が乗ったバスに揺られること10分ちょっと。いつのまにか、海老名市から綾瀬市に入っていた。
バスの走る町並みは、海老名だろうが綾瀬だろうがそれほど変化があるものでもない。郊外の、よくありふれたベッドタウン。整えられた街路があるあたり、それほど遠くない昔に整備されたニュータウンのひとつなのだろう。