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 そうこうしているうちに、大きな倉庫などが目立つようになってきた。行き交うクルマは自家用車ではなくトラックが中心に。歩いている人の姿はほとんどなくて、どちらかというと殺伐とした雰囲気になってきた。そうして綾瀬市内を南北に貫く県道42号線。「綾瀬中央通り」というそのまんまの呼び名を持つ大通りに出る。市内北部で東名高速道路と交差する、この町のメインストリートだ。

 

 県道をアンダーパスする東名高速が見えてきたあたりで、バスを降りた。ちょうどこの場所には、東名高速の綾瀬スマートインターチェンジがあって、件の綾瀬バス停もインターに併設されている施設のひとつ。そして、周囲には大きな倉庫や中小の工場が集まっている。高速道路へのアクセスに恵まれた、ちょっとした工業地帯の様相だ。

工場群を抜け南に向かって歩く。なんだかアップダウンが多いような…

 高速道路のインターの脇にある工場群だから名だたる大手の工場ばかり……と思いきや、案外そうでもなく、むしろ小さな町工場が集まっているような印象を抱く。もちろん平日の昼間から工場群の中を歩いている人などいるわけもない。ひとりカメラを抱えてうろうろしていたら、不審者に間違われても文句は言えないだろう。

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 町工場群を抜けると、すぐに隣接している住宅地に出る。一戸建て住宅が整然と並ぶ、典型的な新興住宅地。工場群の中もそれほどうるさいわけではなかったが、それにも増して実に静かな郊外のベッドタウンである。このように、東名高速道路という大動脈を軸にして、工業地帯と住宅地が入り混じっているのが綾瀬の町の特徴なのかもしれない。

 あらためて綾瀬のメインストリート、県道42号線を南に向かって歩く。郊外の大通りらしく、典型的なロードサイド系の市街地が形成されている。歩いている人はまばらでも、クルマはひっきりなしだ。

 昼下がり、ロードサイドの飲食店の駐車場には何台ものクルマが停まっている。仕事の合間の昼食や休憩には、駅前の繁華街よりもこうしたロードサイド系市街地のほうが適しているのだろう。

 

 メインストリートから東西に分かれる脇道を望む。その先は、だいぶ急な下り坂になっていたりする。その先に分け入ってゆくと、住宅地の中に小さな川が流れていた。