確かに乗り継ぎは手間と言えば手間であることはまちがいない。ただ、あくまでも個人的な意見を言わせてもらえば、この程度の乗り換えならすぐに慣れるものだ。だいいち、これまで同じ北陸でも富山の人たちは、京都・大阪方面に向かうときには金沢駅での新幹線から特急への乗り換えを強いられてきた。彼らの思いを汲めば、敦賀駅での乗り換えくらいどうってことないはずだ。
それに、どうせ敦賀で乗り換えるなら、ちょっと時間をずらして敦賀の町中でも散策してみればいい。福井名物ヨーロッパ軒も、福井市内よりも敦賀市内のほうが待ち時間が短いとかなんだとか。と、まあそんなわけで、個人的に敦賀駅での乗り継ぎはそれほど大騒ぎするような問題ではないと思っている。
いずれにしても、敦賀駅が新幹線の終点になったことで、この駅は北陸方面を巡る交通ネットワークの要衝になったことだけは疑う余地がない。いままではあまり存在感がなかったかもしれないが、それが急に最重要ターミナルとして急浮上。これはもう、いったいどんな駅なのか、気になってたまらない。
新幹線改札を抜けるとなんだか床の色が…
などと御託を並べつつ、敦賀駅に着いた。終着駅だからといって、駅そのものはどうということのない普通の駅だ。高架の新幹線ホームからエスカレーターでコンコースに降りる。乗り換えるお客が多いことを想定しているのか、コンコースは実に広い。
新幹線改札を抜けると、床を色分けして特急「サンダーバード」「しらさぎ」への乗り換えを案内している。トラメガを手にした警備員さんが、盛んに接続する特急列車の案内を繰り返す。一緒に新幹線を降りたお客のほとんども、特急列車のホームへとあっというまに消えていった。
ただ、こちらは特急には用はなく、目的は敦賀駅そのものだ。だから、ひとまず駅の外に出なければならない。ちょうど新幹線改札のすぐ脇に、駅の外に出られる自動改札がひっそりと。遠慮なく、そこにきっぷを差し込んで外に出た。「やまなみ口」などという名前がつけられているが、言い換えれば東口である。
東口に出る。広場にずいぶんひとけがないような…
敦賀駅の東口。改札を抜けて階段を降りてやってきたそこには、なんだか殺風景な風景が広がっていた。もちろん、新しい新幹線のターミナルの駅前なのだから、よく整備されていてピカピカである。
ただ、人の気配がほとんどない。送迎のクルマやタクシーが並んでいることもなければ、客を待ち受けている飲食店や土産物店があるわけでもない。ただただ無味乾燥、ひとけのない広場といっていい。