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廃墟の様相を呈するフロアも…

 また、通路には昔使っていたであろう看板も雑然と置かれていた。

さまざまな物品が残されている

生バンドで唄って 楽しく、安く、安心 

今夜の貴男はやけに大胆! ピチピチした新人ホステス勢揃い!

 看板は全て手書きで、時代を感じる。

 最上階である4階は、物置のようになっていた。雨漏りによるものか、天井の一部が崩れ、廃墟の様相を呈している。

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4階部はさらに雑然と物が並ぶ

 小さな木製のロッカーもあり、3階が客席だった時代には、4階がロッカールームだったのだろう。壁には精勤賞、努力賞、同伴賞の内容と金額が掲示されていた。指名1個20円という金額や、掲示が木板に彫られていることから、相当な年代物だと感じ取れる。

各種ボーナスが大きく掲示されていた

 やっと来られた……。念願が叶い、大満足。あまりの興奮に千鳥足のようになりながら帰路についた。が、落ち着くにつれ、さらにムーランルージュのことが気になってきた。いったいどんなお店だったのか。街にはどのような歴史があるのか。

 当時を知る人々から話を聞くべく、私は再び柳ヶ瀬へと向かった。