長年企業コンサルティングに従事してきた著者は、多数の優秀な先輩コンサルタントに学び、また約3000社の企業の社長らとコミュニケーションを重ねてきた。この経験を通じ気づいたのは、他者の信頼を得るために重要なのは「話す前にいかに考えるか」ということ。では具体的に何をどう考えるべきか。その極意をまとめた本書が大ヒット中だ。
周囲を見渡してみよう。トークに長けてスラスラ話す人より、朴訥な人のほうが信頼を集めているケースは意外と多いのではないか。
「本書では多くの人が感じていた『話が上手いだけで信頼を得られない人と、話が下手でも信頼される人がいる』ことを明確に言語化し、話し方ではなく話の中身に焦点を当てた。それが類書にはなく読者を惹きつけたのではないでしょうか」(担当編集者の淡路勇介さん)
「相手は何を言いたいのか」。これは本書で紹介されている、話す前に考えるべきことの一つ。頭のいい人は、会話中に次に自分が話すことで頭をいっぱいにせず、まずは相手の話を正確に理解し、相手から学ぼうとするというのだ。
「この箇所は、とくに上司や社長の立場の方から『できていなくて反省した』という反響が多くありました。下は9歳から上は90代と読者層は幅広く、家族間など身近な人とのコミュニケーションにも役立っていると好評です」(淡路さん)