それぞれのキャラクターづくりは?
ーーそれでは、それぞれのキャラクターづくりについて、瀬戸さんからうかがえますか?
瀬戸 はい。特に物語の冒頭は、展開的にもミナの発する言葉は少ないうえに、クールなセリフがほとんどなんです。でもそれは隊長というポジションをわかっているからこそでもあるんですよね。それこそが、カフカとの対比を色濃く描くポイントなんだろうと思って演じていました。
ーー現在のミナとしては言葉数が少ないかもしれませんが、潘めぐみさん演ずる、少年時代のカフカとの回想シーン。ここの演技は気をつかわれたのでは?
福西 私も知りたい!(笑) 無邪気な感じと、それでも前を向くんだっていうポジティブな力、エネルギッシュさがお2人の掛け合いから出ていて、ブースで聴いて涙が出ました。
瀬戸 最初に子どもの頃のミナを演じたときは、ちょっと暗かったんですよ(笑)。それは大人になったミナからトーンを想像した結果で、子どものころからクールだったわけではないんですよね。
福西 隊長になるまでにいろんな経験があったわけだし。
瀬戸 そう、立場が彼女をクールにさせているんだと思ったんです。だから子どものミナは、もっと無邪気になっていいんだ、と。あのシーンを冒頭から演じたことで、ミナが27歳になるまでに経験してきた、まだ物語で描かれていない部分まで含めて、表現しなくてはいけないということを強く意識しました。
河西 うんうん……(深くうなずく)。
関西弁のチューニングと保科の人間性
ーーうなずかれていた河西さんはいかがですか? 保科は若い隊員たちとの調整役で、ちょっとコミカルな部分も多いですが……。
河西 じつは、アフレコ前に僕が作ってきた保科は、もうちょっとコテコテ感が強めのキャラクターになっていたんですね。ただ、防衛隊という組織の中でおちゃらけた部分ばかりが目立ってしまうと、締まりが悪くなるのかな、と思ったんです。だからギャグを言ったり、隊員たちとワチャワチャしたりするところは100%を出して(笑)、相対するキャラクターによっては関西弁を抜いたりとか。