「少年ジャンプ+」発のアニメで、今期一番の注目作である『怪獣8号』を世に送り出した原作者・松本直也先生。現在発売中の『週刊文春エンタ+ 特集『怪獣8号』/水木しげると「ゲゲゲの謎」』ではProductionIGの新アニメ『怪獣8号』について57ページにもわたって特集している。

 ここでは、アニメ製作にも全面協力している松本直也先生へのスペシャルインタビューを抜粋し、作品誕生&執筆の秘話や、アニメとの深い関わりを紹介する。

主人公・日比野カフカ

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「ジャンプ+」は“1ページ“で考える

――WEB媒体で連載する場合、紙媒体との差を意識されますか。

 前作の連載中、WEBでは連載途中に自力で新規の読者を増やすことの難しさを感じました。どれだけ目を引くシーンを描いても、バナーをタップしてもらえなければ中身を見てもらえません。

 そのため、1話目でどれだけの数の読者に読んでもらえるか、またどれだけその人たちに続きを読みたいと思わせられるかが紙媒体以上に重要だと学びました。技術的な面では、僕はスマホで読んでもらうことを想定しているので、見開きではなく1ページずつ表示されることを前提にコマ割りや視線誘導を考えています。

 

――「少年ジャンプ+」は、ページ数やカラーページなど、かなり自由がきく媒体のようですね。

 ページ数が自由なのは本当にありがたいです。一番続きが気になる切れ目まで、ページ数を気にすることなく物語を描くことができます。中途で新規読者を獲得するのが難しい電子雑誌では、「引き」はとても重要な要素ですし。

映画『シン・ゴジラ』を観て…

――怪獣を災害(地震や台風など)と結びつけたアイデアは、どのように想起したのでしょうか。

 映画『シン・ゴジラ』を観て、怪獣の“災害としての側面”のおもしろさに改めて触れたためです。そこからマンガの世界としておもしろくしていくために設定を広げていきました。