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世界記録を樹立した渡辺一平選手

――他に注目している選手はいますか。

岩崎 まずは200m平泳ぎに出場する渡辺一平選手。17年に世界記録を樹立したこともある実力者だけど、東京五輪では僅差で出場権を逃し悔しい思いを味わっています。3月の代表選考会では自己ベストに迫るタイムを記録していますし、欧州グランプリでは1戦、2戦、3戦と制覇。グングン調子を上げているように見えます。

渡辺一平選手 ©文藝春秋

 200mバタフライの本多灯選手もメダルの可能性があります。東京五輪では銀メダルだったし、それ以降の世界水泳でも毎回メダルを獲得し、24年のドーハ大会では金メダルでしたからね。ただ、バタフライにはクリストフ・ミラーク選手(ハンガリー)という絶対的な選手がいるので優勝は厳しいような気がするけど、調整が順調に進めば、表彰台は期待できますね。

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――女子はどうですか。

岩崎 「ロンドンの表彰台で見た景色をもう一度見たい」と語り、2大会ぶりに復帰した鈴木聡美選手には期待していますね。彼女は100mと200mの平泳ぎに出場しますが、年齢を重ねてもまだまだ進化する姿を見せて欲しいですね。

鈴木聡美選手 ©文藝春秋

 そして、どうしても私と同じ平泳ぎに注目してしまいますが、青木玲緒樹(れおな)選手にも期待しています。世界のレベルは上がっているというものの、青木選手が持つ日本記録は、東京五輪で銀メダルだった選手を上回っています。彼女はちょっと波があるけど、当日にピーキングを合わせられれば、メダルの可能性は十分にあります。

青木玲緒樹選手 ©時事通信社

大舞台で大化けするかもしれない若い選手

――女子400m個人メドレーの成田実生選手、100mバタフライに出場する平井瑞希選手、そして男子リレーの村佐達也選手の高校生トリオはいかがでしょう。

岩崎 余り注目されない若い選手が、五輪で一気に伸びる例は珍しくありません。私もそうでしたし(笑)。

 成田選手は今伸び盛りに見えるし、平井選手は憧れという池江選手を破って切符を掴んだだけに、大舞台で大化けするかも。若い選手が活躍するとみんながエネルギーを貰えるので、日本中を沸かせて欲しいな。