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パリオリンピックの真実

「彼女はやっぱりトップアスリート」池江璃花子(24)がパリ五輪までに“変えたこと”〈競泳・岩崎恭子が注目選手を解説〉

「彼女はやっぱりトップアスリート」池江璃花子(24)がパリ五輪までに“変えたこと”〈競泳・岩崎恭子が注目選手を解説〉

岩崎恭子さんインタビュー #3

14時間前
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選手の記録が伸び悩んでいる理由

――3月に行われた代表選考会でパリの切符を獲得した男子14人、女子13人のうち、日本記録を出した人はいませんでした。選手の記録が伸び悩んでいるようにも見えるのですが……。

岩崎 これはあくまで私見ですが、コロナ禍の影響が大きかったのではないかと。選手たちが本格的な練習ができるまでは結構な時間がかかりましたし、それでも米国やオーストラリアなど水泳の強豪国は、早い段階で練習を再開しています。また、屋外プールもかなり充実しているので、コロナ禍でも思う存分練習出来たんですよ。

1992年バルセロナと1996年アトランタの、2大会連続で五輪に出場した岩崎恭子さん ©深野未季/文藝春秋

 日本ではなかなか、水泳選手だけ特別扱いとはいかなかった。そこに差が生じてしまいましたね。ですからコロナのような緊急事態が発生したときは、全て一律の規制を設けるのではなく、場合によっては特例を設けてもいいような気がします。

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瀬戸大也選手は「ホントにしぶとい(笑)」

 あ、もう一人注目選手を忘れていました。200m個人メドレーに出場する瀬戸大也選手です。彼はホントにしぶとい(笑)。代表選考会では得意の200mバタフライで選考漏れ、400m個人メドレーでも切符が取れず、残すは200m個人メドレーだけ。

 そんなプレッシャーが最もかかりそうな日に会ったんですけど、私が心配するぐらい開き直っていましたね。「もういいっすよ」なんて。一緒に試合を見に行っていたうちの娘も心配して「瀬戸選手、ヤバくない?」って。でも、最後の最後で残り1枚をしっかり獲得していた。

瀬戸大也選手 ©文藝春秋

 実はこういうしぶとい選手が大舞台では強い。今大会で五輪の出場は3回目だし、試合巧者ぶりを見せつけて表彰台に上がるかもしれません。

「彼女はやっぱりトップアスリート」池江璃花子(24)がパリ五輪までに“変えたこと”〈競泳・岩崎恭子が注目選手を解説〉

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