アイアンマンのような、完璧なアスリートになりたかった
奥原 最強で完璧なアスリート(笑)。出る試合は全部勝つし、ケガしてもすぐに戻ってくるし、メンタルも常に強い。言うならアイアンマンのような人間。世間の人もそう自分のことを見ているに違いないと思い込み、ダメなところを見せてはいけないと考えていました。
ただ、理想の自分と現実の自分の狭間で苦しんでいた時に、「Fans’」 というコミュニティサイトを知り、ブログを立ち上げました。会員制のサイトなので、自分の現在の姿、ダメな自分、ネガティブな自分をさらけ出したんです。すると、共感して下さる方がどんどん増え、ダメな自分でも世間に受け入れてもらえることが分かった。
挑戦する過程にも価値があると気づいた
苦しんだストーリーが誰かの共感を呼ぶこともある。試合結果がすべてと思っていた私が、挑戦する過程にも価値があると気づかせてもらった。これは私にとって大きな学びでした。
パリを目指した道のりは、体の不調を抱えていても1度も後ろを振り向かなかったし、逃げられるタイミングはいくらでもあったのに逃げなかった。最後の最後まで戦いきった。だからパリには辿り付けなかったけど、全く悔いはないし、むしろやり切った充実感でいっぱいです。
だからこそ、ライバルだった山口選手や大堀選手を心の底から応援できるし、苦しい戦いを勝ち抜いてきた選手12人には、ボーナスステージだと思って五輪を思う存分楽しんで欲しいんですよ。
その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。