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パリオリンピックの真実

「腫れて曲げられなくなって、ヒザから水を抜いて」世界ランク1位からまさかの代表落ち…バドミントン奥原希望(29)が語る“どん底だった”パリまでの記憶

「腫れて曲げられなくなって、ヒザから水を抜いて」世界ランク1位からまさかの代表落ち…バドミントン奥原希望(29)が語る“どん底だった”パリまでの記憶

奥原希望選手インタビュー #1

11時間前
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アイアンマンのような、完璧なアスリートになりたかった

奥原 最強で完璧なアスリート(笑)。出る試合は全部勝つし、ケガしてもすぐに戻ってくるし、メンタルも常に強い。言うならアイアンマンのような人間。世間の人もそう自分のことを見ているに違いないと思い込み、ダメなところを見せてはいけないと考えていました。

 ただ、理想の自分と現実の自分の狭間で苦しんでいた時に、「Fans’」 というコミュニティサイトを知り、ブログを立ち上げました。会員制のサイトなので、自分の現在の姿、ダメな自分、ネガティブな自分をさらけ出したんです。すると、共感して下さる方がどんどん増え、ダメな自分でも世間に受け入れてもらえることが分かった。

©時事通信社

挑戦する過程にも価値があると気づいた

 苦しんだストーリーが誰かの共感を呼ぶこともある。試合結果がすべてと思っていた私が、挑戦する過程にも価値があると気づかせてもらった。これは私にとって大きな学びでした。

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 パリを目指した道のりは、体の不調を抱えていても1度も後ろを振り向かなかったし、逃げられるタイミングはいくらでもあったのに逃げなかった。最後の最後まで戦いきった。だからパリには辿り付けなかったけど、全く悔いはないし、むしろやり切った充実感でいっぱいです。

パリ五輪に出場する、バドミントンの日本代表選手 ©時事通信社

 だからこそ、ライバルだった山口選手や大堀選手を心の底から応援できるし、苦しい戦いを勝ち抜いてきた選手12人には、ボーナスステージだと思って五輪を思う存分楽しんで欲しいんですよ。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

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