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パリオリンピックの真実

「主将は石川と決めていた。イタリアにいた彼に電話すると…」中垣内祐一がみた男子バレー石川祐希28歳の“本気”《エースの西田、髙橋藍、セッターの関田は…》

「主将は石川と決めていた。イタリアにいた彼に電話すると…」中垣内祐一がみた男子バレー石川祐希28歳の“本気”《エースの西田、髙橋藍、セッターの関田は…》

中垣内祐一さんインタビュー #2

7時間前
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とてつもなく高い壁に見えたブロックも「ぶち壊してやる」という勢いで跳ぶ

中垣内 僕らの時代は、海外のブロックはとてつもなく高い壁に見えた。スパイクしようとジャンプした瞬間から「あ、ダメだ」って。ところが今の選手たちは、3枚ブロックに付かれても、「そんなもん、ぶち壊してやるぜ」というくらいの勢いで跳んでいますからね。

 加えて、石川のいいところはネガティブな言動が一つもない。常に「俺たちは出来るよ」「俺たちは勝てるよ」「俺たちならもっと上手くなれる」とか、いつも前向きな発言をするので、周りの選手が石川に引っ張られているのは間違いありません。石川の思いが全員を奮い立たせ、あと1本、あと1セット、あと1試合頑張ろう、というモチベーションになっているんです。

 石川は最近「俺たちはパリで金メダルを獲る」と口にしているので、間違いなく今の代表は本気で取りに行くと思います。

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©JMPA

髙橋藍が高校生で代表入りした理由

――髙橋藍選手についてはいつごろから注目していたんですか。

中垣内 彼が高校の時。春高バレーを見ていて、体の使い方、判断力が非凡だなと思った。スパイカーであれだけレシーブに突出した選手はなかなかいないんです。聞けば小学生の頃はリベロをしていたというので、なるほどなと。だから高校の時に代表に入れました。「まだ早い」と周りから文句を言われるだろうな、と思いながら(笑)。

髙橋藍 ©JMPA

 でも彼は賢い選手なので、石川ら先輩選手の姿勢を学び一気に上達しました。当時はまだ体も出来ていなかったためパワーもスピードもなかったけど、成長するにつれキレのいいシャープなスパイクが打てるようになった。

 同じポジションの石川とよく比べられるようですが、石川よりは泥臭いプレーが出来る選手です。特にディフェンスでは粘り強く食らいついていきますし、守備に関しては、アウトサイドヒッターの中では世界トップクラスだと思います。

――西田選手も代表に入ってから一気にブレイクした印象があります。

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