スパイクやサーブのスピードが日本人離れしていた
中垣内 彼は高橋と同じように、186cmという世界的には極めて低身長のアタッカーです。でもスパイクやサーブのスピードが日本人離れしていた。「代表でもまれれば必ず化ける」という確信がありましたね。事実、すぐに頭角を現し、あれだけ頑固にサーブに重きを置こうとしなかったフィリップが、サーブの重要性を打ち出しましたからね。西田はフィリップの戦術をも変えたんですよ(笑)。
――身長の低さで言えばセッターの関田誠大選手も175cmしかありません。起用に反対意見はありませんでしたか。
大型セッターを起用すべきという意見もあったが…
中垣内 身長が低いとブロック面でのマイナスが取りざたされ、もっと上を目指すなら大型セッターを起用すべきとの意見はかなり頂戴しました。でも、セッターに大事なものは何か。アタッカーを活かすトスをあげられることがブロック以上に大事なことであって、そういう意味では関田以上の選手はいない。
そもそも、身長2m以上の世界のアタッカーからすれば、日本のセッターが175cmだろうが190cmだろうが小さいことに変わりはない。それならトスワークに秀でた選手を選ぶのが当然。たとえブロックで得点できなくても、それ以上にレシーブで貢献できる。日本が世界ランク2位になったのも、関田のトスワークの貢献度は小さくありません。
選手のことは一日中でも語っていられますが、とにかく彼らは仲がいいし、チームワーク抜群。それにみんな前向きで明るい。それはなぜかというと、彼らがやりたい高いレベルのバレーが出来ているからなんです。だから彼らはいつも楽しそうにプレーしている。