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仮設トイレも続々と設置されたが…

 パリの郊外にある、7人制ラグビーや陸上競技、閉会式がおこなわれる8万人を収容するスタッド・ド・フランスではスタンドの前の広場の随所に臨時トイレがつくられていた。中には、トイレの壁に向かって男たちが並んでいるところもあった。集団立小便ではない。外壁に便器が並んでいるのだ。なお、オリンピックに合わせて各国の催し物が行われているパリ市のヴィレット公園にも外から丸見え型のトイレがあった。ここに使われた鉄板に水を流しただけの間仕切りのないトイレは、ちょっと洒落たカフェでも時々見かけることはある。このあたり、あまり気にしないようだ。

スタッド・ド・フランス駅近くのトイレ
ヴィレット公園のトイレ

 スタジアムに向かう駅前にも仮設トイレがつくられた。男性小用に並んで、女性用もある。便器に接触せずに立ったままできるタイプで、便器と接触しないので衛生的なのだという。行列も減らせる。男性用よりも扉が大きく、使っている人の顔がみえないようになっている。こういうピクトグラムが必要だっただろうか、という気もするが……。

右が女性用トイレ

 開会式のためには、30万人の観客用に1400個の仮設トイレがつくられた。(VIPや高い席の人は近くの博物館や会館などと協定を結んで使えるようにした)。観光客も多いセーヌ川沿いだから、そのまま残すのかと思ったら、跡形もなくなった。

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写真=広岡裕児