――輸血を受けると、体の調子は変わるものですか。
友寄 息切れも体の重さも一気に良くなって、「白血病治ったんじゃない?」って思うくらいでしたね。それからは「おかわりください」みたいな感じで、輸血が楽しみでした(笑)。
――血液ってすごいですね。
友寄 体が温かくなって、元気になるんです。人の血液って本当にすごいなと思いました。
抗がん剤治療中は基本的にずっと体調が悪かったけど、輸血をしてもらうと、その度にちょっと気持ちが持ち直すんです。計算上、88人の方から赤血球を、22人の方から血小板をもらいました。顔もわからないけど、献血をしてくれた人に応援してもらっているように感じて頑張れたのもあります。
「こんなに苦しいのに生きる意味あるのかな」キツすぎた抗がん剤の副作用
――一方で、抗がん剤の副作用はとても大変だったそうですね。
友寄 抗がん剤というと、脱毛といった見た目の変化や吐き気のイメージが強いと思うんですけど、私が一番キツかったのは口内炎で。
歯磨きのために起き上がるのすらしんどいときがあって、ちょっと歯磨きをサボったらあっという間に口の中に菌が繁殖してしまったんです。
――抗がん剤の影響で口内炎ができやすいということもあるんですね。
友寄 口の中が口内炎で埋め尽くされて、しかも全部腫れ上がっているから唇を動かすこともできないし、膿が常に垂れ流し状態になって。寝ると喉に膿が詰まって吐いちゃうからベッドを横に倒すこともできず、まともに寝ることもできない。もちろんしゃべることもできないし、食事も取れないので、ずっと点滴で栄養を取っていて、自分の体には管がいっぱいつながっていて。
そのときはじめて、「こんなに苦しいのに生きる意味ってあるのかな」と思ってしまって、母親に筆談で、「なんで病気で生んだの」と書いてしまったんです。本心では母親のせいじゃないとわかってても、そのときは八つ当たりするしか気持ちの持って行き場がなくて。それが一番しんどかったですね。