撮影に穴は開けられないという気持ちが強かったので、顔色も悪かったし、ちょっとぶつけただけであざができてしまう状態でしたが、化粧で隠して参加していて。そんなとき、撮影現場で両方の鼻の穴から鼻血が止まらなくなってしまったんです。

 私があまりに顔面蒼白だったからか、スタッフの人が、「現場より命のほうが大事なんだから病院行きなさい」と言ってくれて。そうやって言ってもらわなかったら、病院に行ってなかったと思います。

複数のあざができた友寄さんの足(写真=本人提供)

小児科の医者から「もしかしたら“血液がん”かもしれない」と…

――それまでにも病院は行っていた?

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友寄 2つほどかかっていて、どちらの病院でも「風邪」という診断を受けていました。

 周りからも「絶対おかしいよ」と言われてたんですけど、学校から帰って来る頃には病院の診察時間は終わっているので、夜間救急しかない。でも、熱もない風邪症状で救急外来は気が引けるし……と、なかなかもう一度病院にかかれずにいたんです。

 最終的に、小さいときにかかりつけだった小児科の先生のところに行きました。16歳だし、“小児科は赤ちゃんが行く場所”というイメージもあって抵抗があったんですが、他に頼れる先生もいなかったのでたずねたところ、そこからすぐ検査になって、大きな病院を紹介され、即入院となりました。

――小児科の先生はすぐに異常に気がついた?

友寄 診察室に入った瞬間、「今すぐ血液検査をしましょう」と言われました。その時点で母は小児科の先生から、「もしかしたら“血液がん”かもしれない」と言われていたそうです。

 診察にきたときには、顔色が黄みがかっていて本当にまずい見た目だったというのも、後から聞きました。

 

「あと少しでも発見が遅かったら命が危なかった」

――告知は、どんな状況で行われたのでしょうか。

友寄 ベッドの上で寝っ転がったままの体勢で、先生からサラッと告知されて。がんの告知って、先生の部屋で画像とかを見ながら重たい空気の中で告げられるイメージがあったので、意外でした。

――白血病とわかったときの心境は。

友寄 検査だと言われて武蔵野赤十字病院に行ったら、あっという間に「このまま入院です」「急性リンパ性白血病です」までいってしまったので、ショックというより、やっとこれで病名がわかって治療が受けられるんだ、という安心感の方が大きかったです。もっと後で先生から、「あと少しでも発見が遅かったら命が危なかった」と言われました。

 病気の発見が遅くなってしまった原因は、病院をころころ変えてしまったこと。本来だったら、最初に行った病院に、「風邪薬を飲んでも治りません」と経過を伝えていれば次にステップアップできたのに、病院を変えてしまったせいで、その度に「風邪」という診断になってしまったんです。