伝わらなかった作品の真意
――あの時代には革命しようとした人たちの名残、影響がいろんな形であったんですね。
犬童 もうすぐ『スター・ウォーズ』が来るという頃ですよね。アメリカ映画は70年代、ニューシネマ全盛だったのが、『スター・ウォーズ』の時代に代わっていく。『スター・ウォーズ』はいい映画ですよ。でも、気がつけばチェンジしている。
――黒沢さんの自主映画でも革命を明確に意識していましたよね。学内での革命を描いていた。
犬童 でも、黒沢さんはそこに距離を置くという視点でした。
――それをパロディみたいに見せるというか。
犬童 大学の中で内ゲバとかが普通にあったから。あの頃もずっと。
――ありましたね。立教も少し前にあったみたいです。
犬童 早稲田だと川口大三郎さんが殺されたり。連合赤軍事件の後にそういう事件があった。僕はその頃は中学生で、その流れで高校になっていくので。黒沢さんは5つ上だから、もっと身近だったと思うんですよね。だから、早い時期に黒沢さんは距離を置くようになったんでしょうね。『SCHOOL DAYS』も『しがらみ学園』もそうだった。
――そういう解説を聞くと、『気分を変えて?』の意味がすごく明確に分かりました。でも、文化祭で上映した時は、あまりそれが伝わらなかったんですね?
犬童 まるっきり伝わった感じがしなかった。
撮影 藍河兼一
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◎犬童一心監督の8ミリ作品『気分を変えて?』の上映があります。
第46回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)2024〔9月7日(土)~21日(土)国立映画アーカイブにて開催(※月曜休館)〕の、8ミリフィルム映画制作熱のピーク時代につくられた傑作選を特集する【自由だぜ!80~90年代自主映画】にて。
9月7日(土)12:00~ 国立映画アーカイブ(小ホール)
詳しくは公式サイト https://pff.jp/46th/
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