1ページ目から読む
4/7ページ目

工場長の林はヤマモリ製タイカレーの特徴は「生ハーブを使っていることと具材の大きさです」と会長の三林が言ったことと同じ口調で語った。

「レトルト食品としては大きな具材を贅沢に使用しています。鶏肉とじゃがいもは特に大きなものを使っています。なんといっても鶏肉はタイの特産品です。日本よりもリーズナブルな価格で質のいいものが手に入ります。

また、じゃがいもがおいしいと言ってくださるお客さまがいらっしゃいます。これは、タイの『スプンタ』という品種。スプンタは栽培時、暑さに強く、調理する場合、煮崩れしづらいという特徴を持っています。甘くておいしいじゃがいもです。スプンタを食べようと思ったら、うちのタイカレーを食べていただくしかないと思います。

ADVERTISEMENT

辛さについては特に日本人向けにしているわけではありません。タイで食べられているグリーンカレー、イエローカレーとほぼ同じ辛さです」

唐辛子、ナンプラー、酢、砂糖で味変

辛さについてはタイ生活が長いヤマモリトレーディングの長縄がこう教えてくれた。

「日本人はタイカレーをご飯にかけて、それで一食にしますが、タイの人たちは白いご飯にグリーンカレーをかけるだけではありません。その横に煮物をつけたりして、3品くらい一緒に食べるわけです。

そして、タイの食堂に行くと、卓上には唐辛子、ナンプラー、酢、砂糖の4種類の調味料が必ず置いてある。タイの人たちはおかずに唐辛子、砂糖などを追加して調味して食べます。辛さが足りないと思ったタイ人は唐辛子をどんどんかけます。タイの料理だからといって最初からめちゃくちゃに辛い味つけになっているわけではないんです」

そう言った後で、長縄は付け加えた。

「ただ、そうはいっても庶民がいく食堂や屋台のおかずはやっぱり日本人には辛い。日本人がおいしいと言うのはカニが入ったプーパッポンカレーでしょう。これはタイカレーのなかではいちばん辛くないんです」