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2番目の拠点がサイアムヤマモリ。2004年2月に設立された。ここがタイカレーを作っている。

日本のヤマモリと同じ生産設備、生産技術、そして品質管理を導入し、タイの生のハーブを使ったレトルトパウチのタイカレーの他、つゆ・たれ等の調味料の製造を行っている。加えて、タイに住む日本人のために日本風カレーのレトルト食品も製造している。タイ向け商品は日本では売っていない。従業員は150人で日本人は社長の小川智義と工場長の林知崇(ともたか)のふたり。

日本発「ゴマドレッシング」がヒット商品に

3番目がヤマモリタイランドの工場。2015年に操業開始している。それ以前は合弁で製造していた日本風味の醤油をヤマモリ単独で作る工場だ。年間1万キロリットルの生産キャパシティーを持っている。従業員は70人で、日本人は工場長の宮村かおり。なお、サイアムヤマモリ、ヤマモリタイランドの工場は同じ敷地内にある。

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3つの現地法人に日本人駐在員は少ない。それは現地のタイ人にオペレーションをまかせているのと、日本人を何人も駐在させるとコストが上がるからだ。大きな投資をしているがランニングコストは抑制している。しっかりしているのである。

さて、サイアムヤマモリで作るタイカレーなどについて、社長の小川はこう言った。

「他にも調味料、ドレッシングやソースを作っていますが、タイとASEANマーケットへ向けたもの。タイカレーはほとんど日本向けです。調味料のうち、最近、タイの国内でヒットしているのはゴマドレッシングです。スーパーマーケットなどで飛ぶように売れています。タイは熱帯の国ですから食事は揚げ物が多かった。しかし、近年、健康志向になり、生のサラダを食べるようになって、ドレッシングが受け入れられるようになったのです」

名産品の鶏肉とじゃがいもにこだわる

「レトルト食品では釜めしの素なども作っているのですが、タイではなかなか広まりません。タイの食事は基本的に白いご飯におかず2、3品をトッピングして食べるというスタイルです。日本の釜めし、炊き込みご飯は食卓に入っていかないようです」