低地に立地するということは、水害に遭いやすい、ということでもある。
水害とは、台風などによる大雨か、地震による津波である。
タワマンが強風によって大きな被害を受けるとは考えにくい。バルコニーに置いたものが吹き飛ばされたりはする。タワマンのバルコニーに植木鉢を置くなどはかなり危険。吹き飛ばされて他の住戸の窓に当たれば、まずいことになるかもしれない。
強風によって敷地内の造作物や樹木などが破損する被害は考えられる。ただし、せいぜいその程度。やはり、問題は水害である。
エントランスホールの冠水にも要注意
台風の場合は、河川の氾濫がもっとも要注意。どのエリアに河川氾濫の被害が及ぶかは自治体が公開しているハザードマップなどで確認できる。
ただ、武蔵小杉であったような内水氾濫は、あの被害が起こるまでは想定しづらかった。あのケースも「想定外」であったのではなかろうか。
つまり、河川にあまり近くなくても内水氾濫の被害に遭う可能性は高い。ましてや低地に立地するケースが多いタワマンにとって、内水氾濫は要注意だ。
武蔵小杉のタワマンの場合は、地下4階から浸水した。しかし、内水氾濫は地上の道路などから数十センチ、あるいは1メートル程度を冠水させることもある。
そうなった場合、タワマンの弱点は電気室、エレベーターとなる。電気室が2階以上に設置されていれば、ひとまず安心。
ただし、1階のエントランスホールが冠水した場合はちょっとまずい。エレベーター内にも水が入る可能性が高まるからだ。冠水したエレベーターを動かすのは危険。それを再び動かすには、水が引いた後で専門の技術者による安全確認が必要だ。この場合、数日間はエレベーターが使えなくなることもあり得る。
ハザードマップと電気室の位置を確認
特にタワマンの場合、地上に設けられている地下駐車場への出入口から地上にあふれた水が流れ込むことも考えられる。地下駐車場が水に埋もれれば、そこにある車は廃車の運命だろう。