「また女性の遺体が運びこまれたとき…」Sの悪行が発覚した経緯
遺体を用いた許しがたい遊びは、その後も女性の遺体が運びこまれるたびにおこなわれたという。
ひどいときは、日本剃刀(かみそり)で肌を切りつけたりもしていたらしい。首筋や乳房、局部までも傷だらけにされることもあった。
また、先輩火葬場職員のKという男も、この蛮行を見ながら止めようとせず、むしろ遺体につけられていた指輪を外して横領したりなどしていたそうだ。
こうした悪行も長くは続かなかった。ある日、また女性の遺体が運びこまれたとき、偶然にも市役所職員が来たのだ。
このとき、例によって「おれが戻るまで火をつけるな」と言って、遺族を送りにいっており、ちょうど不在だった。
市役所職員は、ひとつの火葬炉だけが稼働していないことを疑問に思った。いくら夜間の火葬が多いといっても、混んでいたこの日はほかの炉には火が入っていたのである。そこでNさんが市役所職員へいままでの彼らの所業を報告して、事件は知られるところとなった。
物的証拠がない事件
その後、いったんは市が事件をもみ消そうとしたものの、告発テープが明るみに出ると、市は慌てたようにSを論旨退職にし、Kも戒告処分となった。
同時に市の助役もけん責、課長補佐を訓告処分になり、そして市長も自ら1か月のあいだパーセントの減給とするなど大事になった。
しかし、ふたりは刑事責任は問われることなかったようだ。死体損壊と横領という犯罪をおかしていたわけだが、目撃者はNさんだけ。
遺体も火葬してしまうので物的証拠がなく、棺の蓋を開けるのに使ったノミやバール、遺体を切りつけた剃刀も見つかっていない。
職員たちが次々と処分されていることからも信憑性は高いと思われるが、できればこんなことはなかったと思いたい記事である。