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『「徹底的に干す」「脅しておいて」平井大臣、幹部に指示』(朝日新聞デジタル2021年6月11日)

【新音声入手】親密企業の参入を指示 平井卓也デジタル相に官製談合防止法違反の疑い(「週刊文春」2021年6月24日号)

『デジタル庁次官級を接待で処分 3回12万円、平井氏も同席』(高知新聞2021年9月24日)

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出るわ出るわ、醜聞と疑惑のヒットパレード

 出るわ出るわ、醜聞と疑惑のヒットパレード。この影響もあったのか平井大臣は1年で退任。すると四国新聞は退任インタビューを載せ「既得権益との闘い続く」と、まるで悪と闘い続けたヒーローのように伝えていた。最後まで褒めちぎっていたのだ、身内を。

21年9月、デジタル庁発足式で記念撮影に応じる菅義偉首相(右)。左のモニターは平井卓也デジタル相(肩書はいずれも当時)。 ©時事通信社

 四国新聞の特徴は平井氏を絶賛するだけではない。平井氏の選挙区でのライバル・小川淳也氏に対しては厳しく、あの手この手でネガティブに報じるのも特徴。

 しかも本人には取材をしないで書く。選挙が近づくほどこの手の記事は多くなる。政治家一族が地元でメディアを経営する危うさの博覧会なのである。

 小川淳也氏に密着したドキュメンタリー映画『香川1区』の大島新監督は高松市の中心部で商店を営む経営者から「この街で商売をやっている以上、四国新聞は敵に回せない」という証言を得たという(「文藝春秋」2021年11月号)。先述した、平井氏の大臣就任を祝う地元企業の広告紙面の意味も考えてしまう。

香川県高松市の四国新聞社本社 ©時事通信社

 さらに『香川1区』には衝撃的なスクープがあった。平井議員が代表を務める「自民党香川県第一選挙区支部」による政治資金パーティーの案内の内容だ。

 香川県内の企業で経理を担当する女性は、この開催案内に付けられた「チケットご購入依頼の件」とする文書を読んで驚いた。1枚2万円のパーティー券を10枚、20万円という金額を記した上で、その下に「ご出席依頼人数3名」と案内されていたのだ。

 神戸学院大学の上脇博之教授は、KSB瀬戸内海放送にて「これはもう限りなく弱い立場の会社にパーティー券を強制的に買わせている可能性があるなと。さらに、10人分パーティー券を買わせておいて3人しか参加を認めないということは、7人分は寄付なんですね。ところが、寄付とパーティー収入を分けてどうも書いてないんですね。となると、これは悪質だろうと」と発言。