上脇教授はこの映画をきっかけに刑事告発した。まさに現在の自民党の裏金問題につながる話である(高松地検が再捜査を行っている)。さらに平井氏を巡っては、本人が1000万円を党支部に寄付し、税優遇を受けたことを報じられた。
平井氏だけではなかったカネの問題
しかし! カネの問題は平井議員だけではなかった。8月17日、毎日新聞が一面トップでスクープを放った。
『平井氏親族も税優遇疑い 自民支部に4000万円寄付』
《自民党の平井卓也広報本部長の親族3人が2020~21年、計4000万円を平井氏が代表を務める党支部に寄付し、所得税の一部を控除される税優遇を受けた疑いがあることが判明した。》
租税特別措置法では、個人が政党などに寄付した場合、寄付額の約3割が税額控除されるか、課税対象の所得総額から寄付分が差し引かれる。しかし、税制に詳しい専門家は「そもそも政治家の一族の節税のために作られた制度ではない」と述べている。
実はここで書かれている平井氏の親族には「四国新聞社主の母親」も入っている。公平性が求められるマスコミが、息子が所属する政党に寄付をして税優遇まで受けていたことになる。
四国新聞は地元や身内に関わる記事なので詳しく調べて報じるのか注目した。しかしやはりというべきか2週間以上たっても報道しない。何事も無かったように。なので私は文春オンライン編集部から質問状を送付した。
(1) 毎日新聞は8月17日朝刊1面で、平井卓也衆院議員の親族が自民党支部に4000万円を寄付し、税優遇を受けている疑いがあることを報じました。香川1区選出の平井衆院議員のこうした報道は、県民からの関心も高いかと存じますが、貴社は本日まで報道されていません。貴社は、この問題についてどのように捉えられているかご教示ください。
(2) 貴社の社長や社主は平井卓也議員と血縁関係にあるということで、報道機関が担う「権力の監視」が果たされているか不安におもう声や、中立性を心配する声もあります。こうした状況で、どのように報道機関としての役割や中立性を担保されているかご教示ください。
四国新聞の回答は次のとおりである。