リアス式海岸の壮大な景色に溶け込むようにポツンと佇む「入り江の一軒家 みたはま荘」。

海側から見たみたはま荘の外観

 宿の敷地内で釣りができ、釣った魚は調理までしてもらえる。さらに魚が釣れずとも提供される食事は一級品。釣り人はもちろん、釣り未経験者でも楽しめる理想の釣り宿が兵庫県にあった。ここでは、#1に続き、みたはま荘で過ごした2泊3日の日々を香美町香住区の魅力とともにレポートしていく。

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すごすぎる地質遺産

 豪華な朝食をいただいたあとは、いったん宿を出て香美町香住区の観光スポットを巡ることにした。

カレイの干物も名物

 海岸線がジオパーク(注:ユネスコが支援する世界的な自然公園制度)に指定されているだけに、香美町には特徴的な地質が絡む景観やマリンアクティビティが数多くある。中でもひときわ目に留まったのが、かえる島。名前の通り蛙に似た島(岩)だ。

 正直なところ事前に写真を見るだけで「確かに」と完結しそうだったが、どうやら「なくしたものが返る」「若返る」などの縁起の良いパワースポットでもあるようで、ひとまず訪れてみることにした。愛嬌のある蛙型の岩も旅の思い出にしよう。

 宿から15分ほど車を走らせた今子浦海水浴場から見えるという。小さな海水浴場に到着すると、駐車場からそれらしき岩が見えた。さらに浜を超え、岩肌をよじ登ると……はっきりと蛙がいた。

どうみても蛙だ!

 せっかくなので、長距離ドライブの末やってきた今回の旅も無事に帰れるよう祈願した。それにしても、よくぞここまで見事に蛙型になったものだ。元を辿れば大陸の一部だった日本列島は、地殻変動により長い年月をかけて今の国土を形成している。

 今、私が拝観するかえる島も日本列島と同じく、数千万年の時を経て誕生した地質遺産なのだ。「あーめっちゃ蛙」と思うのは簡単だが、この形になった背景にまで考えを巡らせると、奇跡的に誕生した観光スポットに趣を感じざるを得ない。来てよかった。