ヤングケアラーだった過去を話すようになった“きっかけ”
――最近、お母さんのことやヤングケアラーだったことを話すようになったのは、どういったきっかけで?
桃戸 歌舞伎町のトー横キッズの記事を読んだり、動画とかを見ると、他人事だと思えなくって。私も環境次第では、家を出てそのまま帰らないようになってただろうなと。すこしでも、ああいった環境に置かれた子たちを勇気づけられたらいいなと考えて話すことにしたんです。
もちろん、私がその子たちの環境を100パーセントわかってあげることはできないですけど、そうなってしまいそうな子たちなら、微力ながら役に立てるんじゃないかって。
いまはトー横キッズの子たちのTikTokが流れて来たりして、ファッション的に憧れる存在になっちゃってる部分もあって、そこは危険だなって。若い頃って、自分の周りの環境が世界のすべてだから、居場所がないと感じると、そっちに流れちゃう子がいるのは理解できるんですよ。流れる前に止めたいですよね。
「ヤングケアラー」は介護のイメージがまだ強い
――ヤングケアラーという言葉が取り上げられるようになりましたが、なにか思うところは。
桃戸 まず、声を上げられるようになったのはいいことですよね。ただ、ヤングケアラーって聞かされても、お風呂に入れてあげたりとか、排泄の手伝いをするとか、介護のイメージがまだ強いと思います。
でも、そういった大変さだけじゃないんですよね。自分の思うことができなかったり、精神的に追い詰められてしまう点も問題だし、そこにもっと光が当たれば、誰かにヘルプを出しやすくなるんじゃないですかね。
――ご自身の経験を踏まえて、ヤングケアラーに掛けられる言葉ってなにかありますか。
桃戸 知識をつけることをあきらめないでほしい。いい学校に行く行かないではなく、なにかしら学ぶってことです。知識を持つことによって、人間関係をふくめて環境って変わっていくんですよね。学ぶ場ができて、そこで友人たちができて、彼らから助けてもらえる。実際、私がそうだったので。学ぶことをやめないでほしいなっていうのは、ありますね。
撮影=三宅史郎/文藝春秋
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【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】
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▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
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