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――中学は荒れていた感じですか。

へち 全然荒れてなかったんですよ。優等生ばかりで、ヤンキーは1人もいないみたいな感じだったんですけど。

――意地の悪い優等生もいたと。

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へち 学校にいるときは、なるべくチックを抑えようとしてたので、ちいさく「ハッ」みたいな、しゃっくりみたいなのが多かったんですけど。授業中に出ると、まわりの席の男子が真似してたりとか。やってくるのは男子ばかりで、女子はみんな「この子は、なにかあるんだろうな」と思ってたみたいです。

 

保健室に行くと「サボり癖がついてる」と言われ…

――学校に相談は。

へち やっぱり、授業に出られなくなったんですよ。で、親が「ほかの部屋で授業を受けさせてもらえませんか?」って学校に聞いてくれたんですけど、いまみたいにリモートが整ってるわけでもないし、10年以上も前だと教育の現場も頭がすこし固くて、「そんなのできません」みたいな。

 結局、症状が出てつらくなったら保健室に行ってということに。

――意地悪な同級生は、保健室に行ったりすると「あいつ、なんだよ」みたいなことを言いませんでしたか。

へち 「サボり癖がついてる」とか。

 中2のとき、一番仲の良かった子にだけ打ち明けたんです。でも、いきなりチック症のことを説明してもわからないだろうなと思って、まずは癖が悪化しちゃう病気って言ったんですよ。そこから段々と詳しく伝えようかなと。そうしたら、中学の頃って自分が一番つらいって考えてしまう時期だから、「え、そんなことで保健室に行ってるの?!」って返されてしまって、心が折れました。

――学校側は、雑な対応をしていたとはいえ、チック症がどんなものか理解はしていたのですか。

へち してなかったんじゃないかと。両親は分厚い手紙を何通も学校に出して理解を求めたけど、配慮してくれたとは感じられなかったです。

 保健室の件も、症状が多く出たら保健室に行ってもいいよってだけで。授業してくれるわけじゃなかったので。

 

高校時代にマウスピースの治療を受けた

――高校はどうでした。

へち 高校に進んで、症状が少しマシになって。それに加えて、学校がクラス制じゃなくて、単位制だったんですよ。そういう学校だったからか、個人主義というか、あんまり他人のことにとらわれない人が多くて。