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『シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録』17年ぶりの再上映

『シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録』は、2007年に公開された大島新の初の監督作品であり、今回17年ぶりに映画館で再上映される。

 この映画の監督である大島は、撮影は言うに及ばず、製作や脚本・構成まで手掛ける八面六臂ぶりを発揮する。

 大島の代表作である、『なぜ君は総理大臣になれないのか』と『香川1区』では異色の政治家である小川淳也や、対抗する平井卓也を追いかけた。『国葬の日』では、安倍晋三の死にまつわるさまざまな人々の心象風景を描いた。処女作となった『シアトリカル』には、そうしたヒット作と、一味違ったおもしろさがある。

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唐十郎との間に生じた“尋常ではない緊張感”

 大島は、著書で唐十郎との関係をこう振り返る。

「唐十郎という才能の秘密を知りたいと挑んだおよそ3カ月の取材は、実にスリリングなものでした。(中略)ところが、私の中では、これまで撮ってきた人物ドキュメンタリーと比べると、もやもやした思いが残りました。被写体である唐さんを、自分なりに解釈して表現しきれなかったと感じてしまったのです。唐さんと私たち取材カメラとの距離感も、いつになく微妙でした。今日は近づけたかな、と思ったら、次の日にロケに行くとよそよそしく、関係がぎくしゃくしたりと最後までそんなことの繰り返しでした。ドキュメンタリーの撮影は相手が誰であれ緊張感が伴いますが、唐さんの場合、それが尋常ではありませんでした」(出典:『ドキュメンタリーの舞台裏』)

楽屋でメイクする唐十郎 ©いまじん 蒼玄社 2007

 実は、この異常な緊張感こそが、映画のアクセントとなり、次の場面へとつなげ、最後まで観客を引っ張る牽引力となっている。再上映のこの際に、ぜひ映画館の大画面で大島新が取っ組み合う唐十郎を楽しんでほしい。

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シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録
12/14(土)〜ポレポレ東中野ほか17年ぶりの上映決定!