元AV女優で、現在は会社員と文筆家として活動する神野藍さん(25)。今年の5月には地方移住を決めて新しい場所に移り住んだが、5日で東京に戻ることになった。

 そんな彼女に、地方移住のきっかけや5日で東京に戻った理由、AV女優引退後のセカンドキャリアなどについて聞いた。(全2回の2回目/最初から読む

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「ここは東京なんだ」と安心して涙が出た

――移住5日目にとうとう限界がきて、家を飛び出したと。でも、東京に家はないですよね?

神野 ないです。でもとりあえずこの場所から離れたいと思って、電車に乗って、品川まで行って。品川に友達が迎えに来てくれて、友達の車に乗った瞬間、涙が出ました(笑)。「ここは東京なんだ」と安心して、なんか感情がぐちゃぐちゃになって。

神野藍さん

――東京での生活はどうしていたんですか?

神野 まずは住むところを見つけないと、と思って家探しをしたんですが、全然見つからず。その期間は友達の家を転々としていました。犬もいたので、犬を飼える友達に預けて。

 東京での家探しと同時に、移住した家の解約手続きもしなければならなくて。まずは大家さんに事情を話して。あとは車も売却しました。

 2、3ヶ月で東京の家も決まったので、荷物を運んで。移住先とも正式にお別れをしました。

執筆活動にも活きているので「結果オーライ」

――5日で終了した移住生活ですが、振り返ってみていかがですか?

神野 東京に戻る時に乗った新幹線で、不思議な感覚になりましたね。あれだけ期待していた移住場所が今度はもう行きたくない場所になっているんだって。東京に住まなくても生きていけるって思っていたけど、東京に助けられている部分がこんなにもあったんだって思い知りました。

 それに今回の移住は自分の覚悟が足りていなかったし、知識不足がすごく大きかったなって。いろんな意見があると思うんですが、本当に自業自得という感じで。お金もたくさんかかったし、短い期間に何度も引っ越しを経験したことで、心も折れかけたし。

 

 でも今考えると、チャレンジしてよかったとは思いますね。行ってみなければこんな気持ちになることもわからなかったので。不便さも人間関係も、住まなければわからなかった。

 そして何より嫌だという時にはやめればいいんだということも学びました。移住のハードルってたくさんあると思うんですけど、ダメだったら帰ればいいんだって。そう思えただけで良かったですし、こうやって執筆活動にも活きているので結果オーライかなって(笑)。

――他に移住したことで良かったところは?

神野 良かったところというか、気をつけた方がいいことなんですけど、補助金を使わなかったことです。移住するとその自治体から支援金をもらえることがあるんですよ。私の移住先も手続きをすると60万円くらいもらえるんです。

 それをもらっていなくて本当に良かったというか。あれって、たしか5年住まないといけないみたいな縛りがあるんですけど、すぐに引っ越してしまった場合、返さないといけないんですよね。その手続きも複雑みたいなので。すぐに貰わなくてよかったなと思います。