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 ハガキから透けて見える多様な夫婦関係

<付き合って8年、なかなかプロポーズをしてくれないあなたに、しびれをきらし、わざとお見合いをした私。焦ったあなたは必死で阻止してくれたよね。

 

 そしてやっと念願のプロポーズ!

 

 あれから30年、今は、あったかい家庭の中で、孫もできて、毎日とっても幸福です。でも、あのときは――

 

 あなたにも、お見合い相手にも悪いことをしてしまったね。今まで言えなかったけど、本当に“ごめんなさい”幸福だから許してね!>(第17回JRごめん駅長賞)

 このハガキも老いてなお夫のことを思い続けている人から届いた。

第17回JRごめん駅長賞

 不倫に関しては、夫の浮気を防ぐために「他の人にモテなそうな」「ワンサイズ小さい」スケスケのパンツをはかせている妻から「ごめんなさい」と謝るハガキも届いた(第18回南国市商工会会長賞)。パンツ姿でムキムキの尻を楽しそうに振る夫の絵が描かれていたが、パンツはスケスケなうえ、ネコのような動物のデザインもされていた。

第18回南国市商工会会長賞

 ハガキから透けて見える夫婦関係は多様だ。不倫をして自責の念にかられる人あり。愛情深く添い遂げる人あり。両極の立場から「ごめんなさい」が届くのは興味深い。

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目立つ面白いおじいちゃんネタ

 家族間の出来事はかなり寄せられる。

「比較的多いのは、不治の病という診断を、どうしても本人に告げられなかったという内容です。『高齢だったので、ショックを受けるより知らない方がいいと思った。でも本当に言わなくてよかったのだろうか』などと後悔の言葉が書かれています。残された時間でやりたいことが出来なかったのではないか、最期の過ごし方はあれでよかったのかと、悩む人が多いのでしょう。これは今でも寄せられます」と徳久さんは言う。

 母親の話が多いが、おじいちゃんネタも目立つ。「家族の中では意外に愛されキャラなんじゃないですか。存在自体がすっトボケた感じだし、面白いので」と徳久さんは笑う。

<おじいちゃんへ

 

 小さい時、おじいちゃんの頭に変な紙を張りつけて

 

 ごめん。

 

 気づかなかった

 

 おじいちゃん

 

 散歩に行って

 

 女の人に笑われて

 

 しまったみたいで

 

 心の底から

 

 ごめんなさい。>(第17回海洋堂高知賞)

「ごめんの町」にはフィギュアで有名な海洋堂のファクトリーがある(南国市)

 地元の南国市内にある高校の生徒からのハガキだ。口ヒゲを生やしたおじいちゃんが、ツルツル頭のてっぺんに細長い白い紙をアンテナのようにはりつけられている。そばには孫娘が描かれていた。

第17回海洋堂高知賞

「頭髪」に関するイタズラは、一定の応募があるようだ。

<おじいちゃんへ

 

 小さい頃、たくさん

 

 頭にシール貼って

 

 ごめんなさい。

 

 (だめだけど、おハゲだったから・・)>(第19回ゴメンジャー賞)

 頭髪のないおじいちゃんが「余計にハゲるわ・・まっこと困った笑」と少し怒った顔で描かれていた。

第19回ゴメンジャー賞

「おじいちゃんは、孫に弱いですからね。孫娘には特に甘い」と徳久さんは話す。