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「きょうは徹底的にやってやるからな!」火葬炉に社長を押しこみ監禁して…
平成7年9月27日、彼らは実行に移した。
「年寄りだと思っていままで我慢してきたが、きょうは徹底的にやってやるからな!」
Aたちは社長にそんな言葉を投げかけたという。
午後4時50分頃、社長を呼び出した彼らは示し合わせた通り、力づくで社長を火葬炉のなかへ押しこんだ。真っ暗な火葬炉内部。光は確認窓から入るわずかな明かりしかない。
そんななか操作次第ではこのまま焼け死んでしまう……。そんな恐怖に駆られたに違いない。
しばらくすると解放されたものの、ズボンは破け、皮が剝けている。無理やり押しこまれた際、火葬炉の扉に挟んだときにけがをしていたらしい。
会長だけが減刑された理由
しかし、まだ終わっていなかった。
火葬炉から出されたあとも監視室に連れていかれ、そのまま脅しつけるなどされながらさらに監禁されたのだ。
やがて解放されたあと、事件は明るみに出た。
実行犯であるA、B、Cのほか、会長や出入り業者の男も逮捕され、刑事裁判ののちに、それぞれ実刑判決を受けた。しかし会長だけは、法律扶助協会の贖罪基金に寄付をしたため執行猶予つきに減刑。
これで一件落着といいたいところだが、じつはこの事件の顛末を調査するなかで、さらに不穏な事実が見つかった。
じつは事件が起きる8か月前に、実行犯たちと同じ火葬業務を担当していた男性がひとり行方不明になっているのだ。