「いつのまにか骨折(椎体圧迫骨折)」の有無は、胸椎・腰椎のレントゲン検査によって調べます。
●〈胸椎・腰椎X線検査〉★★★
若い頃から比べて身長が2~4cm縮んでいる方は、「いつのまにか骨折」をすでに起こしている可能性がありますので、整形外科でレントゲンを撮り骨折がないかを確認します。
骨粗しょう症の検査③骨の新陳代謝の状態を調べる
骨の新陳代謝の状態は、血液検査と尿検査で調べます。
血中または尿中の骨芽細胞や破骨細胞の産生する酵素やタンパク質、骨が壊れたりつくられたりする際に生じるコラーゲンの代謝産物が「骨代謝マーカー」です。この骨代謝マーカーを調べることで、骨の新陳代謝の変化や骨質が推定できます。
マーカーとは、正確には「バイオマーカー」と言い、ある疾患の有無や、病状の変化や治療の効果の目安となる「生理学的な指標」(血圧や心拍数、心電図など)や「生体内の物質」のことです。
簡単に言えば「目印」のようなもので、マーカー検査とは、それらを調べる検査です。
骨代謝マーカーでわかること
骨粗しょう症の検査で調べるのは主に「骨形成マーカー」「骨吸収マーカー」「骨マトリックス関連マーカー」の3種類で、「骨吸収マーカー」の値が高い場合には、骨密度の減少速度が速く、骨密度の低い高齢者では骨折リスクが高くなります。
このような症例には骨吸収を「抑制」するような薬剤が必要になります。逆に骨吸収マーカーが基準値以下に低下している場合には骨代謝を刺激して「骨形成」を高める薬剤が必要になりますが、日本ではまだ使用できません。
一方、骨形成マーカーは骨吸収に刺激されて開始されるため、骨形成マーカーが単独で高い値になることはあまりありません。
そして骨マトリックス関連マーカーは、悪玉架橋であるペントシジンの量など、骨の質を推定するのに役立ちます。
骨代謝マーカーでわかることは以下の通りです。
●将来の骨量減少の予測
●急速な骨量減少者の早期発見
●骨質の評価
●骨粗しょう症の危険性の予知
●治療開始時期の目安
●治療効果のモニタリング
●治療薬の選択
●治療効果の早期判定
●適正な薬剤量の判定
●適切な服薬方法の確認
●骨折の予知
●他の骨代謝性疾患との鑑別