軍艦島が炭鉱として稼働し、多くの人が暮らしていた時代を再現する日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(TBS系)。ついに12月22日の放送で最終回を迎える。ライターの村瀬まりもさんは「1974年1月の炭鉱閉山は、当時の資料を調べてみると、国全体のエネルギー対策としても、解雇される炭鉱夫とその家族にとっても、最悪のタイミングだった」という――。

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「海に眠るダイヤモンド」最終回は「端島の終わりの時」を描く

日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(TBS系)が描いてきたのは、長崎の軍艦島こと三菱鉱業(ドラマでは鷹羽鉱業)所有の端島炭鉱が戦後に最盛期を迎えた1955年から1974年の間。主人公の荒木鉄平(神木隆之介)は、炭鉱夫の父の下に端島で生まれ育ち、長崎大学を卒業後はUターン就職し、端島の炭鉱の「外勤さん」(総務)として働いてきた。

しかし、1964年の甚大な炭鉱燃焼事故で、兄の進平(斎藤工)が内縁の妻と幼い子を遺して殉職。炭鉱長ら上層部は海底1キロまで掘り下げた深部区域を水没させるという決断をした。第8話では、石炭を掘る仕事がなくなって島民の多くが島を出る様子が描かれた。

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ただ、島の沖の三ツ瀬地区に石炭が眠っていることは調査でわかっており、残った炭鉱夫たちはそこを懸命に掘り下げて、石炭層にたどりつく「着炭」を目指す。そして、苦労の末にその試みは成功した。

「また石炭が採れる」「見事な黒ダイヤ!」「端島は終わらん」と大喜びする鉄平や炭鉱夫、島の人たち。

絶望的な事故から約半年後のことだった。『三菱鉱業社史』にもこうある。

「昭和40年(1965)を三菱鉱業は明るい展望をもって迎えた。この年、端島鉱(前年水没で操業停止)が採掘条件に恵まれた三ツ瀬地区で出炭を再開」

新たに石炭が採れるようになったが、三菱は閉山を決定

端島炭鉱は見事に復活した。しかし、その9年後の1974年1月15日に“炭鉱のヤマ”としての役割を終え、閉山式を迎えることになる。「海に眠るダイヤモンド」の最終話でも、その終わりの時が描かれるようだ。