今年5月26日に岡山県で開かれた「全国植樹祭」。天皇が臨席されることで知られる行事だ。野津家を知る地元老舗企業の会長が話す。
「植樹祭の機会に、陛下に縁組をお披露目しご挨拶するそうだ、というお話が漏れ聞こえていました」
実際に、野津氏は水面下で動いていた。
「カバヤHD側から、岡山県に対して、一般観覧ではなく『来賓』や『皇族の親族』の立場で参加したい、との旨の伝達が再三、あったのです」(地元行政関係者)
天皇は25日夜、伯母にあたる厚子さんの自宅を「私的に訪問」している。この場面でも「野津氏側は『家族としてご一緒に陛下をお出迎えしたい』と宮内庁に同席を要望していたようです」(同前)
だが、いずれも実現しなかった。宮内庁からは、「玄関の外においでください」との案内があったとされる。
野津氏の並々ならぬ意欲
6月に開かれたカバヤの社内会議。その議事録は、天皇や上皇になんとしてでも接触したいという野津氏の並々ならぬ意欲を物語る。
「もう家族なんだから」
「だから、こちらが家族として“『礼儀と道理』をもってやれば、何でもやっていいよ”って」
「礼を尽くして何か注意されたら気を付けていけばいいと思う訳よ」
「俺らと対等なのは松永侍従長(ママ)ではないです」
更に、霞会館への入会や行事に呼ばれることを「目指す」として、こう語る。
「前提は『家族だから』で、十分条件は“そういう会に呼ばれて行く”っていうものが我々のブランド、ま、ブランドっていうつもりはないけど、“立場っていうものがそこまで上がっていく”って話になってくる」
霞会館に所属し、池田家にも近い旧華族の当主は戸惑いを隠さない。
「僕のところにも『いく久しく』という手紙が届きました。野津氏は、霞会館に入りたがっていて、押しが強く、肩で風を切って歩くタイプの方という印象。池田家の跡取りについて懸念があったのは事実ですが、野津氏の養子の話は降ってわいたようなものでした」
いわくつきの養子縁組に対する懸念は、この国のエスタブリッシュメントの頂点にも届いていた。