「あれは家の乗っ取りです」
鷹司尚武氏(79)。霞会館理事長であり、鎌倉時代以来の名家「五摂家」の1つである鷹司家の現当主だ。養母の鷹司和子さん(故人)は、上皇と厚子さんの姉である。旧華族の最重鎮は、野津氏による疑わしい言動と厚子さんの現状を、どう捉えているのだろうか。取材を打診すると、静かに、こう口を開いた。
「手紙は私にも届きました。お仕えしてきた厚子さまを巡る今回のことが、本当に残念でなりません。様々な問題が耳に入ってはおります。あの手紙が偽物だという見方も。何が事実なのか、証拠があることなのか。養子縁組が法的に済んでしまったのであれば、何かできるのか……。仮に、すべて聞いている通りであれば、あれは家の乗っ取りです」
「警察呼びますよ。人に見られたくないんですよ!」
小誌はカバヤ・オハヨーHDに事実確認と見解を詳細に質問した。すると、すべての設問に対して「不正確。」と一言ずつ回答があるのみだった。
では正確な事実とは何なのか。野津氏は一体、何を考えているのか。
10月下旬の夕刻。表参道をカジュアルな装いで闊歩する野津氏を直撃した。
記者をみとめた野津氏は表情を歪め、手を開いて無言で記者を制止する。
――なぜ、厚子さんの手紙を切り貼りしたのです。
「離れてください」
――大事なことでは。
「回答しましたよね?」
――正確な事実とは。
「警察呼びますよ。人に見られたくないんですよ!」
皇室に連なる人間としての矜持からか、慣れた様子で人払いすると、表参道の雑踏に消えていった。
「厚子様に、ご確認とご了承を頂いたもの」と主張
再度同社に質問状を送付すると、代理人弁護士から受任通知が届いた。主に次のように回答があった。
「池田厚子様と基煕氏及び阿久利氏が養子縁組を行うに至り、厚子様を支えていきたいと考え、当社も協力できる範囲でサポートを行わせて頂いています。(霞会館には)入会申込みを行っておりません。(養子縁組の)合意書に関しては、守秘義務があるのでお答えできません」
厚子さんと池田家の親戚との間で交わされた「存じません」事件などについては、
「池田家のご親戚に当たる方と厚子様がお会いされたことについて報告を受けておりますが、その際の会話の内容については、基煕氏が意見を申し上げる立場にないと考えております」「(厚子さんの「誰ですか?」発言は)事実ではありません。基煕氏及び阿久利氏は、定期的に厚子様とお会いになっていますが、厚子様がそのような発言をされたことはありません」