この春、突如明らかになった天皇の伯母(93)の養子縁組。だが、養子となったカバヤCEOは以前から「皇族の親戚になりたい」と漏らしていた。そして、縁者たちに届いた挨拶状には“捏造”の痕跡が――。すべてを知る旧華族の最重鎮、鷹司尚武氏が重い口を開いた。

昭和天皇の四女の池田厚子さん

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違和感のある挨拶状

〈謹啓 皆様には益々ご清祥のことと……〉

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 梅の花が散り、春の気配が漂い始めた今年の3月ごろ、政財界の大物たちに丁重な手紙が届いた。とある高齢女性と、とある実業家夫妻の「養子縁組」を知らせる挨拶状である。

 挨拶状は数百以上の宛先に送られ、内容も数種類が存在した。とりわけ縁の深い“高貴”な人々に宛てた手紙には、女性の“直筆”による特別な一文が添えられていた。

〈基弘 阿久利を いく久しく よろしくおねがい申しあげます 池田厚子〉

 

 池田厚子さん(93)は、昭和天皇の第四皇女だ。上皇の実の姉であり、今上天皇の伯母にあたる。養子にとった夫妻の引き立てを願ううやうやしい一文である。

実の姉君に養子トラブル

 だが、手紙を受け取ったある男性は、開封して「違和感を抱いた」と語る。

「どこか、おかしいのです。厚子さまの文字は、こんな形だったでしょうか?」

 厚子さんの“直筆”には、第三者による細工があった。数少ない人々にだけ送られた直筆付きの手紙の“原型”がいま、小誌のもとにある。

 厚子さんの直筆を演出するために切り貼りし、その痕跡を消した上で本人からの挨拶状として体裁を整える――これは一見、怪文書のようですらある。

 4月、厚子さんが養子縁組をしていたことは各メディアで広く報じられた。だが、養子となった実業家夫妻は多くを語っていない。

 さかのぼれば天皇家の系譜に連なるこの養子縁組には、重大な疑惑が横たわっている。