「僕は純粋にサッカーがしたいだけなのに……」

 口惜しさを噛みしめるように語るのは、東福岡高校サッカー部2年生のA君。日本代表も輩出した名門校に、異変が起きている。

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2023年の不祥事後、就任した平岡監督

 1月13日に閉幕した第103回全国高校サッカー選手権。9大会ぶりに4強入りを果たしたのが、福岡県代表の東福岡高校だ。

「1997年に公式戦無敗で史上初の高校3冠を達成。“赤い彗星”の異名を持ち、OBには本山雅志(元鹿島アントラーズ)や長友佑都(FC東京)、毎熊晟矢(オランダ・AZアルクマール)など日本代表も多数います」(スポーツ紙記者)

東福岡高校OBの長友佑都

 過去に不祥事もあった。

「2023年、志波芳則総監督が寮内で規則を守らなかった部員の頬を平手で叩いたとして辞任。再建に向けて新監督に就任したのが、同部OBの平岡道浩氏(47)でした」(同前)

誓約書で黙らせようとするパワハラ行為

 そこへ新たな火種が――。冒頭のA君が語る。

「ウチの部は部員数が多く、手厚く指導を受けるのは試合に出るトップチームがメイン。下部の部員は自分たちで練習メニューを考えないといけません。僕はもっと上達したいと思い、昨年9月、福岡大学のサッカー部に『外部の人間でも練習に参加できるか』と問い合わせのメールを送りました。すると翌月に平岡監督から父親同伴で呼び出されて、福大にメールを送ったことを理由に『サッカー部を誹謗中傷している』と詰め寄られたのです。普段の生活態度も注意されました」

 小誌もこのメールを確認したが、部を誹謗中傷するような文言は見当たらない。だが平岡監督は、1枚の紙を持ち出した。

「この場で“誓約書”にサインするよう言われたのです」(同前)

 誓約書には〈本校サッカー部の一員として顧問やスタッフの指導に従います〉〈指導に従わない場合は、部活動停止等の訓告に従うことを了承いたします〉などと記されていた。

署名捺印させられた誓約書

「仕方なく父親とともに署名捺印しましたが、意に沿わない行動をしたら誓約書で黙らせようとするのは、パワハラ行為だと感じました」(同前)