2021年度後期のNHKの連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』が昨年11月より総合テレビで平日昼間に再放送されている。大正時代末から始まる物語のヒロインは3代にわたり、再放送はすでに2代目の深津絵里演じるるいのパートに入っている。このあと、るいの娘の3代目のヒロインで、川栄李奈演じるひなたの登場を控える。

NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(2021年)

27歳の誕生日を迎えた

 すでに出番は終わってしまったが、るいの母親で、ひなたの祖母にあたる初代ヒロイン・安子を演じたのは、きょう1月27日に27歳の誕生日を迎えた上白石萌音だ。安子は、夫の稔(松村北斗)を戦争で亡くし、戦後の混乱期のなか忘れ形見である幼い一人娘・るいを女手一つで育てつつ、毎朝ラジオの『英語会話』(通称「カムカム英語」)を聴いて英語を学ぶ。劇中では彼女が終戦の年のクリスマスに出会い、やがて恋に落ちることになった進駐軍将校のロバート(村雨辰剛)と流暢に英語で会話する場面もたびたび出てきて、上白石の語学力の高さをうかがわせた。

上白石萌音 ©文藝春秋

映画の字幕翻訳家を志したことも

 上白石は中学時代、学校と学習塾の公文で英語の基礎を学びながら、当時夢中になっていた映画『ウォールフラワー』や『赤毛のアン』の原書や、幼いころから口ずさんでいた洋楽の歌詞を、辞書を引きながら自力で訳しては楽しんでいたという(『AERA English』2020 Autumn & Winter)。

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 やはり中学時代には、舞台俳優になりたいと思い、両親に相談したところ「そんなに甘い世界じゃない」と言われてしまったため、もう一つの夢である映画の字幕翻訳家を志したこともあったとか(『週刊朝日』2018年4月20日号)。