私も昨年、「キュン♡パス」の旅をした。久しぶりに北上線に乗ろうと思ったからだ。北上線は東北本線の北上駅(岩手県)と奥羽本線の横手駅(秋田県)を結ぶ約60kmのローカル線だ。
東北地方の東西の路線をハシゴのように結ぶ路線の1つ。奥羽山脈を横断しつつ山の中を行く、見どころのひとつにダムでできた錦秋湖がある。過去に一度乗ったことがあったけれど、夕刻の列車だったから途中で夜になってしまった。乗り直して雪景色を眺めようと思った。
その時の旅は、東京駅7時12分の「つばさ」に乗って新庄へ。そこから奥羽本線の普通列車で横手へ。横手名物の「横手やきそば」を食べて、北上線で山道の雪景色を眺め、北上駅から「はやぶさ」で帰路に就いた。
新幹線の車内で日が暮れて、東京駅到着は18時56分。新幹線に乗り、ローカル線を楽しみ、地元の名物料理も食べる。1万円でちょうどいい日帰り旅だった。
注意点は「えきねっと」専用なことと、買える期限が早いこと
今年も行先を検討中だ。日本海側は大雪だという。太平洋側は雪の影響が少ない。そうなると2日間版で岩手県の三陸鉄道を巡ろうか。いや、青森県の津軽鉄道のストーブ列車は平日も運行している。それとも秋田新幹線が動いているから男鹿線で温泉宿を探してみようか。雪見を楽しむなら飯山線の「雪の壁」も見たい。
「キュン♡パス」の注意点はオンライン予約サイト「えきねっと」専用である。駅の窓口や指定席券売機では購入できない。えきねっとに会員登録して、「キュン♡パス」を購入したのち、駅の指定席券売機で受け取る。
もう1つの注意点は購入期限だ。「乗車日の14日前まで」だから、1日用の最終発売日は2月27日、2日間用の最終発売日は2月26日だ。JR東日本の全路線に行けるとなると、選択肢が多すぎてなかなか決まらない。行先は後から決めることにして、まずは旅する日を決めて、先にきっぷを買っておこう。
どう使っても安い大盤振る舞いの「キュン♡パス」が誕生した理由はいくつか考えられる。まずは前出の鳥塚社長が指摘するように「閑散期の利用促進」があるだろう。
日本の商習慣で「ニッパチ」というほど、2月と8月はビジネス需要が少ない。8月は夏休みで観光需要があるけれど、2月は長期休みがないため観光需要も冷え込む。土日はレジャーやウィンタースポーツがあるとしても、平日はガラガラだ。






