東京駅から東北新幹線に乗るとき、その行き先はたとえば「やまびこ」の仙台、「はやぶさ」の新青森に新函館北斗といったところが挙げられる。東北新幹線そのものの終点は新青森駅だが、そこからさらに北海道新幹線にも直通しているから、海の向こうの北海道まで終着駅になっている。
ただ、いまの形になったのはほんの10年ちょっとのお話。2010年12月に新青森駅まで延伸する以前、東北新幹線の終着駅は八戸駅だった。2002年に盛岡~八戸間が延伸開業し、それから約8年。新幹線の北の終点は八戸という駅だったのである。
まあ、これはとどのつまり単に東北新幹線が少しずつ延伸していっただけのこと。だいぶスケジュールは後ろ倒しになっているようだが、北海道新幹線も札幌への延伸事業が進んでいる。だから、新函館北斗駅が終着駅であるというのも期間限定だ。
ともあれ、今回の主役は八戸駅である。終着駅でなくなったからといって、八戸駅の存在感が薄らいだわけではない。
いまでも大部分の「はやぶさ」が停車する。ごく一部を除いて「はやぶさ」しか走らない盛岡~新函館北斗間にも、二戸駅や七戸十和田駅、木古内駅のように多くの列車が通過してしまう駅がある。その点、ほとんどが停車する八戸駅は、押しも押されぬ東北新幹線を代表するターミナルのひとつといっていい。
実際、新幹線に乗って青森、函館方面に向かうとき、結構な人が八戸駅で降りていくなあと思ったことも少なくない。さすがに仙台や盛岡には劣るが、実態としてもなかなか利用の多い駅なのだろう。そんな八戸駅、いったいどんな駅なのか。東京駅から約2時間半、八戸駅にやってきた。
東京から約2時間半…東北新幹線“元・ナゾの終着駅”「八戸」には何がある?
さすが、終着駅だったこともある新幹線のターミナルらしく、八戸駅は実に大きく立派な駅だ。
新幹線には珍しく地上にホームを持ち、線路からホームまですべてひっくるめて大きな屋根で覆われていて、雨でも雪でも大丈夫。このあたり、北国のターミナルらしさ。ホームそのものも2面4線と広いのは、ここで列車が折り返していた終着駅時代の名残だろう。