※指摘されている「5つのリスク」
1.野生動物を絶滅に追い込むリスク
2.密猟・密輸を増加させるリスク
3.動物由来感染症(人獣共通感染症)に感染するリスク
4.動物福祉を維持できないリスク
5.外来生物を発生・拡散させるリスク

繰り返される珍獣ブーム

さらに言えば、鳥類や金魚、ハツカネズミなどの小動物を一般庶民がペットとして飼い始めた歴史は江戸時代にさかのぼる。ウサギやハムスターは明治時代、カメは1960年代には大ブームだった。

何万年とはいかないまでも相当な年月、ペットとして飼われている動物を、いつまで「エキゾチック扱い」するのかとも思う。

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かつて日本の空港では、外国人用のレーンを「エイリアン」と呼んでいた。都市伝説ではない。そもそもAlien(エイリアン)とは“外国人・異邦人”という意味で、そのまま呼称に使われていたのである。ただ、映画の『エイリアン』が大ヒットし、エイリアン=異星人というイメージが定着して以降、現在は「Foreigner(フォリナー)」に変更されている。

エキゾチックという呼称には、エイリアンと同じような心の距離感を覚えてしまう。

最近は、いわゆる野生由来のエキゾチックアニマルが、SNSなどでも人気を博している。単に珍しい・他者と違うという関心から飼われる場合も少なくない。

特にコロナ禍では、家で長時間過ごすことを余儀なくされた人たちが癒しを求め、「鳴かない」「散歩が不要」など、犬や猫より飼育スペースが狭く、エサ代などの費用や手間がかからないといった安易さに後押しされて飼い始めるケースが増えた。

それで今、さまざまな問題が起きている。

獣医であっても大学では学んでこなかった

「当院を受診するエキゾチックアニマルは、飼い主さんにその動物についての知識が不足しているせいで、適正な飼育環境が整えられなかったり世話ができていなかったりするためであることが多い。病気になった際にも適切な治療を受けさせていないのではと心配になることがあります。ペットショップについては正直、把握できていません」