――セミナーにくる方に共通点はありますか。

松尾 結婚がしたいから婚活をしているんじゃなくて、適齢期になって親や周りからのプレッシャーで“結婚しなくちゃいけない”と思い込んでいる人が多いです。

 そういう方には「あなたは結婚しなくちゃいけないからするんですか? したいからするんですか? まずはそこをはっきりさせてください」とアドバイスしています。

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「結婚しないと自分には価値がない」「親から孫の顔が見たいと言われていて、それをしないと自分は親不幸だ」とか、こうしないといけないという“呪い”にかかっているんですよね。判断の材料が他人軸になってしまっている。

 そういう方に対する私のメソッドは、まずは日記を書いて自分を取り戻しましょうというものです。

 

マッチングアプリで“無駄モテ”しないための方法

――松尾さんは「相手に求めるターゲットがぼやけている」ともよく言われていますね。

松尾 そうなんですよ。私は“モテる”という言葉がよくないのかなと思っていて。多くの女性は不特定多数の人にモテようとして、マッチングアプリのプロフィールを書いちゃうんですね。これを私は“無駄モテ”と呼んでいるんですけど。

 たくさんの人にモテるよりも、たった1人に刺さるプロフィールを書いた方が最終的にマッチングの精度が高いと考えているんです。多くの結婚相談所では男ウケするプロフィールを学んで、それを書くんですけど、私は「あなたらしさを前面に出したプロフィールを書いて」とアドバイスしています。

 実際にあった事例でいうと、お客様で、かつて銀座の一流クラブでホステスをしていた方がいらっしゃったんですね。ホステスさんだったら恋愛はうまいのではと思いきや、プライベートでは詐欺に引っかかったり、相手が実は既婚者だったりと結構散々な目に遭っていて。

――銀座のホステスさんがですか。かなり意外ですね。

松尾 彼女はマッチングアプリで婚活をしていたんですけど、ホステスであることを隠して「今は税理士事務所で働いています」と全然違う経歴を書いていたんです。

 そこで「ホステスという職業にプライドを持っているのなら、思い切ってそれを出しちゃったらどう?」とアドバイスして、銀座のクラブで働いていることもプロフィールに出したら、すごくピンポイントで彼女のことを理解してくれる人からアプローチがあって。今は結婚してお子さんが2人いて幸せに暮らしています。