そして腐敗がはっきりわかったとき、2枚重ねにした半透明のビニール袋に遺体を入れ、もう1人の赤ちゃんの遺体の置いてある押し入れに重ねて入れた。
ホスト「男に依存しなければ頑張れない子」
愛情はあったが、一緒に生きられないと思って殺した。そこまでなら、子を殺すほどには追い込まれた経験のない私たちでも、想像できる範囲の行為かもしれない。だが、遺体に添い寝をした10日間という時間は、歪んだ愛が引き起こした狂気とさえ思わせる。
なぜ、愛情をほとばしらせた対象を、女性は殺さなくてはならなかったのか。しかも、ほかにも二度の孤立出産と死体遺棄を繰り返している。
検察はホストへの依存関係を明らかにした。調書に登場する2人のホストは「色恋営業だった」、つまり、金を吸い上げるために恋人を装っていたと述べている。
うち1人は、隣県から1人で高松に出てきてヘルス店(性行為を伴わないサービス)に勤めていた女性をソープランド(性行為を伴うサービス)に転職させ、スカウトバックを得ていた。もう1人は、暴力により女性を支配し、勤務するホストクラブで金を使わせた。より多くの金を巻き上げるために女性の携帯電話を解約させたのはこのホストである。
「彼女はメンヘラ。ホスト狂いは風俗嬢に特有。風俗で疲れ切ったメンタルをホストクラブにきてよしよししてもらってメンタルを回復する。男に依存しなければ頑張れない子」
自分が食い物にした対象について、ホストはこう供述した。
遺体の存在を隠し、男から搾取され続けた
妊娠を打ち明けられたとき、1人は聞き流し、もう1人は「俺の子じゃないし」と無視した。後者は赤ちゃんの遺体が押し入れにあることを知りながら、彼女の部屋に棲みつき、風俗店での売上を報告させて管理し、スマホをチェックして行動を見張り、自由を奪い、たかり続けた。そればかりか、女性ともめると「押し入れのこと(遺体を隠していること)を言っていいんやな」と脅した。