「花粉症がひどい」「米が高い」「うなぎ屋が満席」――季節のお題を、おいしいレシピとユーモアあふれる回答で解決していく人気料理人・笠原将弘さん(52)。『週刊文春』グラビア新連載「笠原将弘のご自愛めし ちゃんと食ってるか!?」をスタートさせた笠原さんはいま、何に悩んでいるのか。(全2回の2回目/前編を読む

撮影 志水隆/文藝春秋

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料理のプレゼントはもらったことがありますか?

――ちょっとフライングになりますが、連載2回目のお題(お悩み)は、出会いの季節らしく、一目惚れをしてしまって夜も眠れないというものです。回答とレシピは誌面を見ていただくとして…笠原さんは、料理のプレゼントってもらったことあります?

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笠原 ありますよ。

――それはお若いとき?

笠原 若いときはよくあるんじゃないですか。(好きな子が)弁当つくってくれたり。好きではない子からもらったりもして、ありがたく食べたり。

――お料理のプロになってからは?

笠原 恋愛感情とかなく、自家製の梅干しをもらったり、漬物とか、出張で長野に行くとみんな持たせてくれる。ホビー的な料理って、人に渡さない?

――ホビー的料理?

笠原 日常的につくるものじゃなくて、たまに気張ってつくる料理ってあるじゃない。好きな人が趣味としてつくる燻製とか、ソーセージとか。鍋ごとカレーをもらったこともある。俺がカレー好きだって言ったら。

――笠原さんご自身が、相談してみたいお悩みはありますか? 

笠原 なんだろうな、50過ぎて字が汚くて恥ずかしいです、とかね。あとは、まあまあ偉そうに聞こえるかもしれないけど、いろんな現場に行っても、先の先も読めちゃうし、一人でイライラしてますっていう。

――先の先も読めるというのは?

笠原 仕事の現場で、俺はあんまり気乗りがしないけど、こういうことやってくれって、頼まれるんだろうなあとか。朝起きた瞬間からその日の仕事を思ってイライラしちゃう。

――それは(精神的に)よくないですね。

笠原 令和の若者にありがちなのは、たとえばこういう料理を撮影するんだったらこういった道具がいるだろう、これくらいの人数だったら、取り皿はこれくらいいるだろうって、考えていない人はこちらから言わないとわからないわけ。言われて取りにいくから、仕事が遅くなる。

 俺なんか修業時代にいやというほど叩き込まれてるから、読み過ぎちゃって、疲れちゃうわけ。