――察しがいいから。

笠原 もちろん自分の店では自分のやり方を貫きますけど、テレビでも雑誌でも、家庭用に簡単なレシピにしてくださいって言われたら、そうしちゃえばいい。こうやったら向こうが喜ぶだろうなっていうのがわかるじゃないですか。

 

想像を超えないとだめですよ、プロの仕事は

――相手がお客さんでも、読者でも、視聴者でも、喜んでもらえたらうれしいなっていうお気持ちが根底に。

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笠原 プロはそういうものだと思うんだよね。今回はこういうことをやって欲しいっていう向こうの意図を察して、やってあげるのが、どんな仕事にも共通するじゃないですか。たとえば野球だったらこういうシーンでホームラン打って欲しいなって、あるじゃないですか。だから大谷(翔平)くんとか人気があるんじゃない。

――わりと普遍的なことですね。

笠原 と、僕は思う。世の中のあらゆる業界で売れている人って、そういうことじゃないですか。相手のニーズに応えて、相手が想像する以上の仕事をしなければ。

――次号以降のレシピと回答も楽しみです。

笠原 想像を超えないとだめですよ、プロの仕事は。相手の想像通りだとインパクトないからね。

撮影 志水隆/文藝春秋
スタイリング 遠藤文香

(プロフィール)

かさはら・まさひろ/1972年9月3日、東京都生まれ。品川区武蔵小山にて両親が営む焼き鳥店「とり将」の階上で、一人っ子としてのびのびと育つ。高校卒業後「正月屋吉兆」で9年間修業を積み、父の死をきっかけに家業を継ぐが、30周年を機に一旦閉店。2004年、恵比寿に「賛否両論」を開店すると、予約のとれない人気店に。2013年、名古屋直営店をオープン。2023年6月に開設したYouTubeチャンネル「【賛否両論】笠原将弘の料理のほそ道」は、ユーモアあふれる軽快なトークでプロの技を惜しげもなく披露し、チャンネル登録者数100万人(2025年4月現在)を超えた。家庭では二女一男の父。麦酒党。

INFORMATION

 笠原将弘さんによるレシピやお悩みへの回答は、週刊文春2025年4月10日号(4月3日発売)グラビア新連載「笠原将弘のご自愛めし ちゃんと食ってるか!?」に掲載されています。「週刊文春 電子版」では、誌面ビューワーでお読みいただくことができます。

最初から記事を読む 「豚汁なんて、夜中に目が覚めて、ぬるいのをお玉から飲んだりしなかった?」人気料理人・笠原将弘さん(52)の食べれば健康になる“ご自愛めし”《週刊文春で新連載スタート》

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