生き辛さを感じていた自分を変えるために
続いてマイクを持った柳監督も涙声で語った。
「私の初監督・脚本作品である『レイニー ブルー』をご観覧いただきましてありがとうございます。ちょうど2年位前に私も(主人公の)蒼ちゃんみたいに、生き辛さというか、映画大好きだけどやれなかった過去というのがあって、その自分自身を変えるためにこの『レイニー ブルー』という脚本を書き始めて、多くの皆さんに関わっていただいて、熊本の皆さんに関わっていただいて、やっとこうやって皆さんにお披露目することができました」
夏都愛未さんは映画監督・脚本家。監督作『緑のざわめき』に現役高校生だった柳監督が出演、スタッフとしても参加したことから、『レイニー ブルー』に協力することになったという。
「なんか私だけ泣いてないみたいになってるんですけど(笑)、私の(『緑のざわめき』の)現場にいるとき、当時柳さんは現役高校生で、その時から『映画を作りたい』とずっと言っていました。だったら絶対いま作るべきだよという話をしていたら、気が付いたらもう撮り始める感じになっていました」
夏都さんのほかにも、『プールサイドマン』『テクノブラザーズ』などで知られる渡辺紘文監督も出演、主人公と心を通わすオタク男子高校生役を熱演(怪演?)している。主人公が通う実在のミニシアターDenkikanの支配人で高良健吾が、主人公の父親役で笠智衆の孫・笠兼三が出演しているのも話題だ。柳監督が思いを込めたという、ラストの海床路のシーンはぜひ劇場で体験してほしい。
<STORY>
映画同好会にただ一人所属する蒼(柳明日菜)は同郷の映画人・笠智衆を尊敬している。ある夏の放課後、蒼は部室からボロボロの脚本を見つけ、妄想をどんどん膨らませていく。熊本出身の高良健吾、中島瑠菜ほか、笠智衆の孫である笠兼三も出演。
監督・脚本・主演:柳明日菜/出演:中島瑠菜、渡辺紘文、高良健吾、笠兼三/2025年/日本/120分/2025年公開予定

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